新たな客層にリーチする新しいレクサス 主に試乗したこの“OVERTRAIL”は、一般道ではまずその快適性の高さが印象的だった。フレーム構造のボディとE-KDSSのおかげで、通常は柔らかく動くサスペンションは大きな入力も直接的に伝えず封じ込めてくれる。意外やタイヤも、パターンに起因するゴロゴロとした感触こそあるものの、ゴツゴツしたりうるさかったりすることはなく、想像以上にしなやかに走ってくれる。
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なお、このタイヤはトーヨータイヤの「OPEN COUNTRY A/T」。通常タイヤメーカーにはない風洞での実験をトヨタ側で行うなど共同で開発されたという。
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意のままになる加減速のドライバビリティにも唸らされた。動力性能は余裕たっぷりで、かつアクセル操作に対する反応がとにかく一体感が高い。じつは減速も同様で、新型ユニットを使ったシステムは、微低速域までまさに思いどおりの減速度を引き出すことを可能にしている。その一番の狙いはオフロード走破性の向上だが、一般道でもたらされる副産物も、とても大きかったというわけだ。
さらに、お楽しみも用意されている。「SPORT S」、「SPORT S+」モードを選ぶと、アクティブサウンドコントロールによってエンジン音にスピーカーからのサウンドが付け加えられ、加速感を盛り上げてくれるのである。
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オフロードの走りは、すでに昨年9月の「LEXUS SHOW CASE」で富士スピードウェイでも体験しているが、今回の特設コースは、車輪が大きく浮き上がり、車体が倒れそうなほど傾くような険しいもので、その実力にはもはや圧倒されるほかなかった。いまどきの乗用車ライクなSUVでは、いくら電子制御を駆使しても到底、走破できなかっただろう。走り終えたあとに眺める新型GXの姿は、とても頼もしく見えたのだ。
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新型GXには他にもふたつのグレードが用意される。22インチのオールシーズンタイヤ、AVSが標準の“LUXURY+”は、オンロードの小気味良い走りが美点。多くのユーザーにアピールするのはこちらだろう。シートは3列も設定する。
レクサスGX LUXURY+のフロントスタイリング 画像はこちら
そしてAVSなし、20インチタイヤ標準の“素”のGXが“PREMIUM+”。基本性能の高さがストレートに反映された、穏やかな乗り味、軽快なフットワークが印象的だった。
レクサスGX PREMIUM+のフロントスタイリング 画像はこちら
日本仕様のグレード展開、価格などはまだ未定の新型GXだが、この完成度、そしてキャラクターをもってすれば、これまでレクサスがリーチできていなかった層に響くモデルになるのは間違いない。個人的にも、じつはいま欲しいクルマリストの1位になってしまったほど、大いに気に入った次第なのだ。
高い快適性と頼もしいまでの悪路走破性を両立する新型レクサスGXにベタ惚れ 画像はこちら