この記事をまとめると
■2023年12月単月締めの通称名別新車販売ランキングが発表された
■2万台をわずかに割り込んだものの、ホンダN-BOXがトップとなった
■相変わらずトヨタ一強の登録車だが、トヨタが今後どれだけそれを維持できるかに注目
新型に切り替わったホンダN-BOXがトップを維持
2023暦年締め(1月~12月)年間販売台数の行方を決するといってもいいのが、2023年12月単月締めでの新車販売台数。通称名(車名)別新車販売ランキングをみると、登録車と軽自動車を合算した総合ランキングではホンダN-BOXがトップとなっている。
ただ、2023年より納期遅延が深刻だったといえる2022年12月単月の新車販売台数において、N-BOXは2万台の大台にのせていたのだが、2023年12月は2万台をわずかに割り込んでいる。このあたりは、2023年10月に新型がデビューしたばかりで思い切り量販にふることができなかったとする見方もできるが、新型の販売がやや苦戦傾向にあるのではないかといった話もある。
事実、2024年元旦の新聞に折り込まれた届け出済み未使用軽中古車専門店のチラシには、さっそく新型N-BOXの届け出済み未使用軽中古車が掲載されていた。
軽自動車のみで2位にはダイハツ・タントが入っているが、トップのN-BOXとは約8000台の差がついている。ダイハツは2023年12月下旬に認証不正問題における第三者委員会の報告が行われ、全車出荷停止となった。そのため、月末ギリギリまで自社届け出(売り先のない新車にディーラー名義などでナンバープレートだけ付けること)などでの販売台数の上積みができなかったこともあり、ここまで差が開いてしまったのかもしれない。
登録車のみのランキングでは、トップ10のなかにトヨタ車が6車ランクインしている。納期遅延がだいぶ改善傾向にあるトヨタだが、1、2カ月という短納期となるモデルはほぼいない状況となっている。そのなかで、バックオーダーの消化を進めているのだが、それなのにトップ10のうち6車も入っているのだから、改めて販売力と生産能力のすごさというものを感じてしまう。
トヨタ・ライズは、ダイハツの認証問題の影響を受けており、12月以前から新規受注を停止しているのだが、それでも10位に入っている。また、出荷停止の影響をほぼ受けていないなか、ルーミーは4位に入っている。ダイハツからのOEM(相手先ブランド供給)車となる両車は、トヨタ車のなかでも人気モデルとして有名なモデル。ただし、ライズに続きルーミーも出荷停止となったので、2024年1月以降の両車の動向はかなり気になるところである。
総合ランキングに戻ると、モデル末期ながらホンダ・フリードが10位に入り健闘している。ホンダ・ヴェゼルも9位に入っている。2024年3月に発売予定のWR-Vは、すでに預託受注を進めているが、かなり好調にオーダーが入っているとのことなので、今後はN-BOX、ヴェゼル、フリードにWR-Vが加わり、ホンダの新車販売を引っ張っていくことになりそうである。
日産ノートがやや元気がないように見えるが、ノートは5ナンバー車が2023年12月にマイナーチェンジを行っているので、モデル切り替えの端境期となったことが大きいようである。
2024年1月以降の単月統計では、出荷停止となっているダイハツ軽自動車の動向及び、トヨタ車では新規受注停止車両も目立っているのだが、そのなかでどれだけ「トヨタ一強」ともいえる販売実績を維持していけるのかが注目に値するかもしれない。