自動で人を避ける! 他のクルマに道を譲る! ホンダの協調人工知能搭載のモビリティとロボットが凄い (2/2ページ)

荷物を持ち歩く煩わしさをなくしてくれる「ワポチ」

 もう一台のマイクロモビリティである「ワポチ」は、ユーザーとともに移動するマイクロモビリティです。荷物を載せることができ、荷物を持ち歩くという負担を軽減し、より快適な歩行をサポートするものです。

 ユーザーの風貌を認識し、人混みのなかでもユーザーを追従したり、さらに先導もできるというのが特徴です。登録するユーザーの服や髪の色、背格好など(現在は身長150㎝以上の方に限定)を画像認識でユーザーを記憶しています。

 上部4方向にカメラを設置し周囲360度を把握。本体下部にはライダーも前後に配置しています。追従および先導中に他の歩行者の陰に隠れてしまっても、その特徴からユーザーを探し出して追従・先導を復帰できるようになっています。

 現在は「ストップジェスチャー」という停止をさせる機能を持っていますが、今後はユーザーの行きたい方向へのジェスチャーに対応する機能も追加していくとしています。

 先導によってユーザーの歩行する前方スペースを確保してくれることでより歩きやすい状況を作ってくれることにもなります。この「ワポチ」も「サイコマ」同様、周囲の環境との協調行動を取っており、ギクシャクしてユーザーの歩行を邪魔するようなこともなく、非常にスムースに回避行動をとりながら移動していきます。

 この「Honda CI」は、「地図レス協調運転技術」と「意図理解・コミュニケーション技術」がポイントとなります。あらかじめ経路を設定するのではなく、高精度地図も使わず、カメラなどで周辺環境を確認しながらユーザーとコミュニケーションを図りながら自ら判断して走行をしていくというものです。

 この技術を投入することで、既存の街に大きな整備をせずに街づくりを進める「レトロフィット型スマートシティ」を作り上げ、地域を活性化していくことを目指し、ホンダの考える「いつでも、どこでも、どこへでも」を実現していくことになります。

「アグリサイエンスバレー常総」内の「道の駅常総」と観光農園「グランベリー大地」への来場者を対象に行うこの実証実験は、スタート時はこの「サイコマ」での実験を進めていきますが、、2024年夏には「ジャパンモビリティショー2023」で注目を浴びたふたり乗りの四輪電動モビリティ「Honda CI-MEV(シーアイ・エムイーブイ)」にサイコマの技術を搭載したものをこの実証実験に追加投入予定ですし、ワポチの実験区域の拡大など、今後も展開が広がっていくようなので、ぜひ一度体験をしてみることをおすすめします。


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