国産トラック市場にぽっかりと穴が空いてしまった
まとめると、タウンエース系については、トラックモデルの販売はしばらくの間はないであろうが、ワンボックスモデルについては新車で買えるようになりつつある。
ハイエースについても、生産工場の稼働は停止しているものの、少なくともガソリンエンジン車は問題ないはずなので、遠からず販売再開に至るとみていいだろう。
すぐにオーダーできなかったり、納期が延びてしまったりといった点で思い通りにいかないこともあるかもしれないが、「タウンエースもハイエースも買えない」と絶望する必要はない。
ランドクルーザーについても不正が確認されたのはディーゼルエンジンのみであり、ガソリンエンジン車について不正はないというのが現状。前述したように生産ラインを停止しているが、販売再開自体は問題ないと捉えていい。
むしろ心配なのは、1ナンバーのピックアップトラック「ハイラックス」だ。日本向けのラインアップはディーゼルエンジン搭載車だけとなっているため、しばらく買えなくなる可能性もゼロではないからだ。
とはいえ、ハイエースのディーゼル車、ハイラックスの代わりになるモデルがないわけではない。
商用ワンボックスのディーゼルエンジン車としては日産キャラバンが存在している。また、ハイラックスの代わりになるピックアップトラックとしては、出たばかりの三菱自動車トライトンもある。
いずれにしてもハイエースやハイラックスのディーゼルエンジン車が買えなくなったとしても、ほかに選択肢があるということは覚えておきたい。
とはいえ、1.5リッターエンジンで、最大積載量800kgというタウンエース系トラックモデルの代替となるモデルは、国産ラインアップでは見当たらない。軽トラックでは小さすぎるし、1トントラックでは大きすぎる(高すぎる)からだ。
まさに国産トラック市場にポッカリと穴を開けることになってしまった。
追い込まれて不正をしてしまった現場には同情すべき要素もあるかもしれないが、企業としては大罪を犯してしまったというほかない。
もっとも、タウンエース系モデルについては、現行型のデビューが2008年とかなり古いモデルなのも事実。型式指定を新たに取得するのをきっかけに、より現代的なモデルへと生まれ変わるなど「雨降って地固まる」的な結果につながることを期待したい。