「メンテナンスパック」に入ってるのに任意点検が受けられない! ディーラー整備士がいま阿鼻叫喚の事態と化していた (2/2ページ)

人手不足でメンテナンスパックが使えない!?

 見積書に勝手に計上されるほどディーラーとしては積極的に売り込んでいるのだが、最近は法定点検を別として、半年おきの任意での点検については、「点検ができない」といったことをいわれることが目立っているそう。

 新車ディーラーもご多聞に漏れず十分なスタッフを確保できていないなか、店舗運営が行われている。そして、そのような働き手不足はセールスマンよりも、点検・整備作業を行うメカニックのほうが重たくなっているのだ。

 日々ギチギチに点検や整備などの作業スケジュールが入り、まさに休憩できるのは昼休みぐらいしかない状況となっている。働き手不足だけではなく、残業も厳しく管理されていることも、状況をより悪化させているようだ(就労時間内に作業予定が詰め込まれる)。そのため、メカニックの離職はセールスマンよりも目立っているとも聞いている。

 スケジュールがギッシリながらも、現場では日々なんとか作業をこなしているのだが、リコールがメーカーから国土交通省に届けられ、その改修作業をディーラーの整備工場で行うようになると、作業が捌ききれない量に達してしまい、結果的に「任意のメンテナンスパックの点検はできない」といった話がディーラーからくるそうだ。リコールの内容次第なのだが、作業に要する時間も1台あたり2時間かかるといった改修作業ともなれば、真っ先にメンテナンスパックでの任意の点検は不要不急な作業としてやり玉に入ってしまうようだ。

「そもそもメンテナンスパックに積極的に加入するのは、普段あまり乗らず走行距離が伸び悩む傾向にある人のほうが目立つともいわれています。ディーラーの手前勝手な話にもなりますが、メンテナンスパックに加入している車両はそれほど任意の点検・整備は必要としていないともいえます(事情通)」。

 とはいっても、ちょっとでもイレギュラーな作業が入ると、定例の作業を制限しなければならいほど、販売現場の働き手不足も深刻なものとなっているようである。もちろん、お願いであるので、「予定通り点検をお願いします」と返答することは可能となっている。

 ちなみに料金を前払いしているので、メンテナンスパック加入期間終了時に未実施分については清算され返金されるとのことである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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