オーバースペックなところにロマンあり!
3台目は、テスラのモデルXやモデル3などに搭載されている、「対生物兵器モード」。なにやら物々しいイメージの名前ですが、テスラにとって安全と同じくらいオーナーの健康を守ることが大事、という考え方のもとで開発されたものだそう。
病院やクリーンルーム、宇宙産業で使われている空気濾過システムに着想を得て、花粉やバクテリア、汚染物がキャビンに侵入するのを防ぎ、完全に除去することが可能なHEPAフィルトレーションシステムを開発。外でなにが起こっていようとも、ドライバーや同乗者に清潔な空気を提供できるようにしています。
テスラによる実験では、軍事レベルの生物兵器による攻撃からも、乗員を守ることが可能とのこと。花粉症の人がこのモードを使うと、ものの数分でくしゃみや鼻水が止まるというのも納得です。
4台目は、スタイリッシュに生まれ変わっても、さらに悪路走破性を高めてきたことでツウを唸らせた、ランドローバー・ディフェンダーの渡河モード、ウェイドプログラム。
世界で初めて、パワートレイン、ステアリング、ディファレンシャル、トラクションコントロールを個別に設定できるようになった、テレインレスポンスという走行モードシステムが搭載されており、そのなかのウェイドプログラムを起動すると、電子制御エアサスペンションで車高が上昇。最大で標準からプラス145mmまで高くなるのですが、3Dサウンドカメラとドアミラーの超音波センサーによって、水深900mmまで渡ることが可能だというから驚きです。
ランクルやジープでも700mm台なので、圧倒的なタフさを見せつけてくれます。
5台目は、EVとなって復活したハマーに搭載されている、クラブウォークモード。ボディは相変わらず大きく、バッテリーの重さで車両重量はなんと4トンにもなる一方で、0-100km/h加速は3.2秒というスーパーカー級の速さを実現しています。
大きなボディゆえ、取りまわしに苦労する場面も多いはずですが、EVになったハマーには秘策がありました。それがクラブウォークモードで、クラブとは踊る方のクラブではなく、「カニ」のクラブ。最大10度という後輪舵角が与えられたことで、低速時に斜め方向へカニが歩くように移動することができるのです。
これがあれば、狭い曲がり角で切り返しをせずにすり抜けることができたり、斜面を横方向に走るキャンバー走行の際に姿勢を安定させることができるようです。
ということで、普段から役に立ちそうなものもあれば、一生使わないかもしれないものまで、さまざまな走行モードをご紹介しました。今度はどんなユニークなモードが出てくるのか、楽しみですね。