復活したクライスラーの旗頭だった300C
2000年代に入ると、メルセデス・ベンツとクライスラーとの部品共有性が進むと同時に、ダイムラーとしては「古き良きアメ車の復活」のイメージでクライスラーとダッジの両ブランドに抜本的な変革を推進した。
そうしたなかで登場したのが、「ダッジスーパー8 HEMI」であり、そこから派生したのが、クライスラー「300」である。そして、1950年代のクライスラーの雰囲気を醸し出すデザインの300に、大排気量・大出力・大トルクのHEMIエンジンを搭載したのが「300C」だった。
当時、「300C」を皮切りにクライスラーおよびダッジは、さまざまなハイパフォーマンスモデルを世に送り出した。そんな各モデルをアメリカの公道、テストコース、サーキットなどで試乗する機会も多く、走り味はジャジャ馬の場合も少なくなかったが、じつに楽しいクルマたちでもあった。
そうしたクライスラー・ダッジの最良期のなかで「300C」は中心的な存在であった。その後、いわゆるリーマンショックによってクライスラーは事実上倒産し、新たな資本によって企業再生されることになる。
「300C」も第2世代となり、結局2023年末まで改良を重ねながら量産され続けた。