この記事をまとめると
■運送業界や旅客輸送業界で話題の「2024年問題」の抜本的解決策は見つかっていない
■「自動運転がカギを握っている」といわれるがそう簡単にいかない
■自動運転は導入コストや利用者の心理面で課題が残るため技術進歩を待っても事態が深刻化するだけ
いまだ2024年問題の解決の出口は見えていない
2024年4月1日より改正働き方改革法が施行されると時間外労働時間が厳しく制限され、トラック輸送ではいままでどおりの輸送量確保が難しくなり、路線バスでは運行本数の減便や廃止される路線が続出、そしてタクシーでは稼働台数の減少などが起こるのではないかとされている。それが「2024年問題」だ。
運送業界や旅客輸送業界では働き手を増やすなど、あの手この手で2024年問題に対応しようとしているが、問題へ対処する抜本的な方法は見つかっていない。
そのなかで、テレビ番組のコメンテーターなどから、「自動運転が解決のカギを握る」といったコメントがよく聞かれるが、話はそんな簡単なものではない。
まず、自動運転という技術そのものがいますぐ、どこにでも導入できるほど確立されていないことが大きい。
自動運転タクシーの試験的ともいえる営業運行は、アメリカや中国ですでに行われているが、アメリカでは緊急車両を停止させるなどの問題が多発していると報道されている。路線バスについては、全国各地で試験走行も含め活発に導入されているが、一般的なサイズの路線バスが無人で走るといったイメージとはほど遠いものとなり、2024年問題を解決するものとはいえないだろう。
それでは技術がある程度普及に耐えうるものとなればいいのかというと、今度はその導入コストというものが問題となってくるだろう。