この記事をまとめると
■クルマの正式名称が国によって変わることがある
■日本でも商標登録の都合で車名が変更となっているモデルがある
■同じ車名でも商標登録されていない場合もあり、そのまま本国車名を名乗れたケースもある
国によって車名が違う!?
クルマの名前が国によって変わる場合があること、ご承知のとおりです。日本車が海外で別の呼び名に変わるのは、現地で違和感なく呼びやすいものになることが少なくありません。たとえば、ヴィッツはヤリスでしたし、フィットがジャズなんて名前になっています。そのほか、パジェロのように現地ではいい意味にとられない名前をショーグンに変更するといった例もちらほら。
一方、輸入車が現地の名前で売れないのは、たいていの場合、商標登録による都合でしょう。これは国ごとに登録しているので、仮にイタリアで車名を登録しても、日本に同じ車名があったら登録できないということ。そんな厄介な事情で名前が変更されたケースをいくつかご紹介しましょう。
フェラーリ599GTBフィオラノ
2006年にジュネーブショーで発表されたV12を搭載したFRモデル。数字と英字イニシャルに加え、フェラーリにちなんだ地名をペットネームのように追加した車名は、往年のデイトナやモンツァといった例にならったもの。ちなみに、フィオラノは同社のテストコースがある地名です。
ところが、日本での正式名称は「フェラーリ599」で、GTBやフィオラノが省かれています。前述のとおり、これらはすでに商標登録をされており、当時のインポーターは名付けることを断念した模様。
調べてみると、GTBはトヨタが商標を登録していて現在も有効となっています。が、2015年に発売された488GTBは日本国内でも同じ名前で売られました。おそらくは、フェラーリとトヨタでなんらかの取引の末、日本でもGTBを名乗ることができたのではないでしょうか。
また、フィオラノについてはクルマ関連分野での商標登録はありませんでした。ただし、599フィオラノという登録があり、こちらはゲームやおもちゃ分野。となると、「フェラーリ599フィオラノ」であればクルマの名前で登録できたはず。それでもしなかったのは謎でしかありませんが、フェラーリとしてはGTBのほうを優先したかったのかもしれません。
ペットネームなんて、365GTB/4が「デイトナ」になったように、あとからどうにでもできそうですからね。