インフィニティQ50にEQGがラインアップされるかどうかは未定
次のV37もV36の延長にあったことには違いないが、顔立ちがV36とだいぶ雰囲気が変わり、往年のハコスカを感じさせるものがあったのが印象的だった。
一方で、インフィニティのバッジを付けて日本でも販売されたことは物議をかもした。日産としては、スカイラインをプレミアムブランドとして位置づけるためにインフィニティのバッジを付けたという旨のちょっと苦しい弁明をしていた。
ところが2019年のマイナーチェンジで、日本向けのスカイラインのみ、R35GT-Rに似た専用のフェイスが与えられた。このデザインがQ50の流麗なフォルムに似合うとは思えず、個人的には歓迎しかねたのだが、日産は日本のスカイラインファンを大事にしているという意思表示、メッセージだった。
2023年には登場から10年を迎えようというV37に、スカイラインNISMOが登場するという、思ってもなかったサプライズもあり、ファンは大いに色めきだった。
10年も経てば次期モデルに関する情報があってもおかしくないが、スカイラインにもこれまでなかったわけではない。2018年のデトロイトショーで発表された、「インフィニティQインスピレーション」がそうだ。
最先端の自動運転技術と可変圧縮比の「VCターボ」エンジンを搭載した次期プレミアムセダンとしており、それをもとにする市販車が2021年頃には出るのではないかという情報もあった。
ところが、自動車をとりまく状況が急激に変わって電動化が求められ、さらにはご存じのとおりコロナ禍や半導体不足の問題が巻き起こった。本来であれば出ていたかもしれない次期インフィニティQ50=スカイラインは出直しを図ることになり、かくして出てきたのが、「ビジョンQe」だ。
インフィニティ初となる完全BEVのコンセプトモデルであり、フラッグシップセダンらしい風格を感じさせるファストバックのスタイリングからは、前出のQインスピレーションとの共通性も見て取れる。そこに、インフィニティのBEVとしてのエッセンスが盛り込まれている。
流麗で低くワイドなフォルムのボディは、すべて1本に集約される彫刻的なラインで構成されており、LEDで周囲を縁取った新しい大きな「ダブルアーチグリル」が目を引く。前後にインフィニティならではのゴールドに輝くデジタルピアノキーライトも印象的で、足もとにはマシンドフィニッシュのホイールが組み合わされる。
ボディ表面で光と影が際立ち、よりゴールドのイルミネーションを引き立てているブルーとゴールドを組み合わせたボディカラーは、インフィニティの新しいビジュアルアイデンティティを反映したものだという。
スペックについては明らかにされておらず、詳しいことはおいおい発表されていくようで、Q50=スカイラインにもBEVがラインアップされるかどうかはわからないが、ビジョンQeが見せた世界観が大なり小なり関係していることは間違いなさそうだ。