内装触ったらベタベタじゃん! 天井垂れ下がって頭に当たってるし! ちょい旧輸入車の内装あるあるに対応策はあるのか? (2/2ページ)

溶けるだけじゃないさまざまな内装トラブル

■天井が垂れ下がってくる症状とその対策

 続いて報告例が多いのが、天井の内張りが垂れ下がってくるという症状です。多くは天井のまんなか辺りから垂れ下がってきて、しまいには端まで至ってベロンと頭にもたれるくらいになってしまうケースもあるようです。

 この垂れ下がりも、内張りの素材が劣化して天井の接着が剥がれてしまうことで起こるようです。

 天井の内張りの多くは、表皮の素材の内側にスポンジ状の柔らかいフォームが挟んであり、それと天井の外板が接着されることで保持されています。垂れ下がりの多くは、このフォームが劣化してぐずぐずになって自重を支えきれなくなり、外板から剥がれてしまうという状態です。劣化の原因は、日光の照射による高温状態と、四季による温度の変化で蓄積された水分によるものという見方が濃厚です。

 垂れ下がりの原因がフォームの劣化のため、いちど剥がして接着剤で接着し直しても、結局劣化した部分から間もなく剥がれが発生してしまうことでしょう。

 対策としては、もし新品が入手できるなら交換してしまうのが手っ取り早く、確実な方法となりますが、20〜30年前の車種で天張りが入手できる可能性はけっして高いとは言えません。また、天井にコンソールが装着されていたり、サンルーフが装着してある車両の場合は、それらの脱着も作業に必要となるので素人の手には負えない場合もあります。

 もし向こう10年以上保つようにしっかり修復をしたいなら、内装の専門業者に修復を依頼するのがオススメです。年数が経った車両の場合はまったく同じ表皮を用意するのは難しいと思いますが、専用の表皮のリストのなかから近い色合いと風合いの表皮を選んで仕上げて貰うことが可能です。フォームの劣化についても、代替の素材で打ち直してもらえるようなので、耐久性についても問題ないでしょう。場合によってはお好みの色や素材で仕上げて貰うこともできます。

 価格は素材や面積、装着パーツなどの違いでピンキリですが、セダンタイプで5万円くらいから施工してもらえるとのこと。

■内張りの浮き、剥がれはどうする?

 だいたい天井と同じ状況ですが、ドアの内張りや、後部座席の側面の化粧パネルに施された表皮の剥がれもよく見られる症状です。こちらは運転に支障があまりないので放置しても大丈夫という人もいるでしょうが、どうにもみすぼらしい印象を受けてしまうため、直せるなら直したい部分ですね。

 内張りくらいの面積であれば、DIYで直すというのも現実的です。いまでは通販サイトで施工しやすい表皮のリペア用シートなどが入手できます。お好みでなるべく純正の雰囲気を崩さないで仕上げるのも良し、せっかくなのでイメチェンをしてガラッと雰囲気を変えるも良し、好きな雰囲気に仕上げるのも良いでしょう。

 なかには複雑な凸凹を持った形状の内張りもあって、その場合はリペアしてもまた剥がれてしまうことが考えられます。しっかりした仕上がりを求めるなら、天井と同じく専門の業者に依頼するほうがいいでしょう。

 内装は運転中にずっと目に入る部分です。あちこちがヤレてくると愛着が薄れてしまうこともあると思いますが、そうなる前に思い切ってリフレッシュをおこなって、気に入った相棒をまた可愛がってあげてください。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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