この記事をまとめると
■2024年1月の新車販売台数が自販連と全軽自協からそれぞれ発表された
■ダイハツの不正問題が影響して軽自動車全体の売り上げは前年度よりも低下している
■2023事業年度決算セールはホンダとスズキを軸にして商談を進めるのが効果的だ
ダイハツの不正問題が全体の販売台数にも大きく影響
自販連(日本自動車販売協会連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)より、2024年1月単月の新車販売台数が発表された。全軽自協による2024年1月単月の軽四輪車総販売台数は11万7912台(前年同期比77.1%)、軽四輪乗用車販売台数は9万2269台(前年同期比78.5%)、軽四輪貨物車台数は2万5643台(前年同期比72.8%)という結果となった。
目に見えて振るわない結果となったのはもちろん、ダイハツ不正問題の影響が大きい。とはいっても、そのダイハツの軽自動車総販売台数は前年同期比37.8%とはいうものの、1万9346台と日産の総台数より約2000台多くなっている。出荷停止となっているなか、約2万台を新規届け出することができたのだから、自社届け出を行っていない、未届けで状態(ナンバープレートのついていない)での流通在庫の多さには少々驚かされた。
報道によると、国交省(国土交通省)は2024年に入り段階的に出荷停止の指示解除を行っているが、本稿執筆時点では軽自動車に関しては、販売主力車種の出荷停止解除は行われていない。2月もダイハツは1月と同レベルか少し改善傾向は見えるものの低迷状態が続きそうだが、その分3月は事業年度末ということもあり、一気に販売台数を積み上げてくることは十分考えられる。
ただし、一般消費者への小売りレベルでは、今回のスキャンダルの悪影響の排除は難しいので販売苦戦は既定路線となるだろう。販売台数復活のカギは自社届け出(新車販売台数を積み上げるために、ディーラー名などでナンバープレートだけつけること)車両を、「届け出済み未使用軽中古車」として販売する専売事業者などへ向けたフリート販売にかかってくるだろう。
すでにダイハツは、2024年1月24日に今回の一連の不祥事に絡んだ軽自動車のキャスト(含むトヨタ向けのピクシス・ジョイ)のリコールを届け出ている。「トヨタ系ディーラーで聞いたときには、詳細なことは販売現場にはまだ下りてきていないとのことでした。ただ、『リコール対策』をすると、別の問題が発生するといった噂話程度の信憑性が不確かな情報が販売現場では流れているようです」(事情通)。
ちなみに全軽自協統計をベースに試算してみると、2023年4月から2024年1月までの累計軽四輪車総販売台数では、スズキが約1.3万台リードしてトップとなっている。2023暦年締め年間新車販売台数を例に見ると、軽四輪総台数ではスズキを抜いてダイハツがトップとなっているのだが、軽四輪乗用車販売台数ではスズキがダイハツを抜いてトップとなっている。