この記事をまとめると
■大阪オートメッセ2024が開催された
■インドネシアから「NMAA」が出展
■「NMAA」について詳しく解説する
インドネシアのカスタムシーンはここ数年で急成長
インドネシアのカスタムシーンは現在急成長を遂げている。それはインドネシアの自動車カスタム&アフターマーケットパーツ関連企業団体である「NMAA」の影響が大きい。今回の大阪オートメッセ2024にもNMAAで出展していたが、NMAAとは何なのか? そしてインドネシアのカスタムシーンの現在、未来とは? 代表のアンドレ・ムルヤディ(Andre Mulyadi)氏の話を交えながら紹介していく。
NMAAとは
NMAAは健全なカスタマイズカルチャーを育てようと始まったもので、2016年に設立されインドネシア最大のカスタム&チューニングの業界団体で、アフターパーツメーカーなどが加盟している。2018年からはIMX(インドネシア・モディフィケーション&ライフスタイルエキスポ)も開催していて、いまインドネシアのカスタムシーンはここ数年で急成長を遂げている。
NMAAと大阪オートメッセは協力関係が結ばれていて、今回で5回目の出展となる。代表のアンドレ氏は7年前に大阪オートメッセに来たときに多くの驚きに包まれたそうだ。
「まず多くの人がカスタムカーのイベントに来ていることに驚きました。そして子どもからお年寄りまで年齢層が幅広いのもインパクトがありましたね。インドネシアではカスタムカーは15~30歳くらいのピンポイントの年齢層に人気が高いので、インドネシアでも日本のように多くの人がカスタムカーを楽しむようになれば、もっと産業として栄えていくと思います」
インドネシアのカスタム技術を育てたい
IMXの様子を見てみるとインドネシアのカスタムカーは、ショーカーとしてのクオリティが高い。ここ数年で急速にクルマづくりがキレイになっているそうだ。インドネシア製のパーツも増えている。しかし、まだまだ日本のカスタマイズが進んでいるポイントがあるとアンドレ氏は語る。
「インドネシアは見た目重視のショーアップのためのカスタマイズが中心となっていて、エンジンチューニングなどの機能面でのカスタマイズはまだまだですね。パーツももちろんですが、日本の技術から学んで優秀なインドネシアのチューナーを育てていきたいという気持ちもあります」
そう語るアンドレ氏が今回持ち込んだランサーエボリューションIXは、2022年のIMXでナンバー1だったクルマで、日本とインドネシアのパーツが融合したものとなっている。印象的なバイナルグラフィックは、インドネシアの伝統的な民族衣装である「バティック」をモチーフにしたもの。
このクルマで取り入れた外装の仕上げのクオリティはインドネシアのカスタム技術のなかでも自慢のものだとのこと。また、デイタイムランニングライトが特徴的なヘッドライトはインドネシア製で間近で見ても高い完成度を誇っている。インドネシアではこのような外装や電装系に関するカスタムパーツの技術が進んでいるという。
エンジンはHKSや東名パワードのパーツを中心に使用し、2.3リッター化してHKSのGTIIIタービンで600馬力という仕様だ。
大阪オートメッセでは今回から新たにアンドレ氏にテープカットの協力してもらうとともに、展示車両のなかからもっとも優れていた車両を決めてもらう「NMAA Favourite Proper Modified Car」という賞を用意した。
初開催となるこの賞で選ばれたのはKUHLレーシングのR35GT-Rであった。選んだ理由をアンドレ氏に聞いてみると「新しいボディキットが強いインスピレーションで印象的でしたね。直線的なデザインは誰も思いつかないようなもので素晴らしいと思いました。それが受賞の大きな理由です」と語っていた。
大阪オートメッセに最初に訪れてから7年目となっているが、日本のカスタムシーンはまだまだ刺激を受けている様子であったアンドレ氏。より大阪オートメッセとNMAAの関係が深まり、日本とインドネシア、双方のカスタムシーンに良好な影響を与える未来が来ることを予感させる取材であった。