これなら直線番長なだけのEVじゃない! 中華製ライトウエイトEVスポーツ「SC-01」とは【大阪オートメッセ2024】 (2/2ページ)

日本では2025年度中の販売を予定

レーシングカーを思わせるシャシー

 シャシーフレームを手がけたのは「He Jingming」氏。彼は世界基準のツーリングカーレースであるWTCR(現TCR)の開発にエンジニアとして携わった経験があり、日本向けのエアロパーツキットの技術責任者も務めた経験もある。モータースポーツの現場で経験を積んできた人物なのだ。展示していたシャシーを見ればレーシングカーをかなり意識して設計しているのがわかる。純正タイヤにミシュランのパイロットスポーツカップ2を選択しているあたりからも本気度が伝わる。

 たとえばパイプフレームも取り入れている点だ。スポーツカーでオーソドックスなモノコックやバスタブフレームを用いているのではなく、パイプフレームを採用しているのはレース専用設計のツーリングカーを思わせるメカニズムだ。

 また、水平式プッシュロッドサスペンションを採用しているのもフォーミュラマシンやプロトタイプカーを彷彿とさせる。

 バッテリーはBEVによくある床下のレイアウトではなく、シートとリヤモーターの間にレイアウトされる。これは48:52という前後重量配分や、リヤ駆動のトラクションにこだわった部分があるようだ。

気になるバッテリー性能と日本での販売は?

 また、BEVとして気になるのがバッテリー性能だ。バッテリー容量は60kWhとなっていて、航続距離はテスラなどと同じ測定方法で500kmとされている。ハイスペックをアピールするBEVと比べてあまり大きくないバッテリー容量となっているが、それでいてある程度の航続距離が確保されているのは1370kgという軽量な車両重量も影響しているはずだ。

 モーターは前後に配置される4輪駆動。ドライバーの好みに応じてフロント駆動と後輪駆動を切り替えることができるとのこと。総出力320kW、最大トルク560Nmを誇る。0‐100加速は2.95秒という俊足を誇る。

 日本での販売は2025年度中を予定しているそうだ。販売元は興和産業となる。すでにヨーロッパでは認可の最終段階に入っているおり、今年の春に発売を予定している。

 日本での試乗の機会も楽しみな1台だ。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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