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電動化時代でも「6種類」が選び放題! 日本はクルマのパワーユニット天国だった (1/2ページ)

電動化時代でも「6種類」が選び放題! 日本はクルマのパワーユニット天国だった

この記事をまとめると

■日本のEV普及速度が遅いとされる要因のひとつに、国産車のパワートレインが充実していることが挙げられる

■日本ではライフスタイルや目的に合わせて多彩な選択肢が用意されている

■パワートレインの種類を解説しながらそれぞれのメリット・デメリットを紹介する

日本のEVの普及が進まないのには明確な理由があった

 EV普及に向けてやや足並みが鈍化したとはいえ、まだまだノルウェーの79.3%を筆頭に、スウェーデンで33%、オランダで23.5%など、日本の1.4%と比べると高いEV普及率を維持している欧州(すべて2022年のデータ)。政府の政策の進め方や大陸と島国の違いなど、たくさんの理由はありますが、そのうちのひとつとして、日本は早くからハイブリッドの普及率が高かったことや、ほかにもさまざまなパワートレインが混在しているから、ということも挙げられると思います。

 また、世界で唯一、この30年間ほとんど経済成長していないという状況のなか、普通のガソリン車でも買えないのに、EVなんて割高な価格のクルマが買えるわけない、という人が多いのも理由のひとつでしょう。とはいえ、政府が強制的にEVを買うように仕向けたりせず、いまだに多くのパワートレインが選びたい放題という日本は、むしろクルマ好きにとっては幸せなのかもしれません。あらためてひとつずつ、特徴を見ていきたいと思います。

 まずガソリンエンジン。19世紀から進化を遂げてきたガソリン車のメリットは、低コストで高出力。軽自動車のようにわずか660ccのエンジンでも、一般的な走行を満足にこなす実力を得ることができます。給油もガソリンスタンドに行けばパパッと短時間で済ますことができますし、満タンにすれば45リットルタンクで燃費が15.0km/Lのクルマならば600km以上の長距離を走行できるところもメリットです。ただ、デメリットはCO2排出量が多いこと。ハイブリッド車やディーゼル車と比較すると、燃費が悪い傾向にあります。

 次にディーゼルエンジン。基本的なメリットはガソリン車と同じで、燃料に軽油を使うのが特徴。付け加えるならば、低速でもパワフルなので山坂道を走るときや、重量物を積載するときにスムースに走行しやすいこともメリットでしょう。昔のディーゼルエンジンは大気汚染物質の排出が問題となり、一部の都市では走行が規制されることになりましたが、現在は有害物質の排出を抑える技術が搭載されたクリーンディーゼル車となり、低速走行などで効率よく走れば、CO2排出量もガソリン車より抑えられることもあります。

 デメリットとしては、昔よりもかなり抑えられているとはいえ、まだ稼働時の音と振動が大きいことが挙げられます。車両価格もガソリン車より割高となることが多くなっています。

 続いてハイブリッドカー。ガソリンエンジンやディーゼルエンジンに、モーターやバッテリーといった電動化技術をかけあわせ、それぞれの弱点を補って効率よく走ることができるのがメリットです。大きくわけてシリーズ方式、パラレル方式、シリーズパラレル方式(スプリット方式ともいう)のハイブリッドがあり、エンジンを発電専用に搭載して、走るときには100%モーターで駆動する車種もあります。

 また、外部から充電することができるプラグインハイブリッド(PHVやPHEVと表記)なら、充電を繰り返せばガソリンを1滴も使うことなくEVとして走れ、長距離走行の際にはバッテリーがなくなったらガソリンを使ってハイブリッドカーとして走ることができます。

 デメリットはあまりありませんが、まだまだ高コストなため価格が割高なことや、メンテナンスにややコストがかかる傾向にあることでしょう。

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