スポーツメーカーの雄「ミズノ」がクルマにも本気! 科学を導入したドライビングシューズと靴下が凄い【大阪オートメッセ2024】

この記事をまとめると

■大阪オートメッセ2024が開催中

■ミズノがブースを構えている

■展示の目玉「ベアクラッチ」にスポットを当てた

展示の目玉はドライビングシューズ「ベアクラッチ」

 大阪オートメッセ2024の会場で、華やかな車両が並ぶメーカーブースの一角に、スポーツ商品でメジャーな「ミズノ」がブースを構えていました。

 ミズノはスポーツ商品の分野では超メジャーな存在ですが、自動車の世界ではあまり名前を聞きません。いったいどんな商品を展示しているのか気になります。

 今回の展示の目玉はドライビングシューズの「BARECLUCH(ベアクラッチ)」です。

 パッと見はワークシューズのような質素な外観で、「これがドライビングシューズなの?」と意外な印象を受けますが、話を聞いてみると、その外観も納得の用途を想定したものだったんです。

 このシューズ、じつは2021年にマツダと共同で開発した、純国産ドライビングシューズ(上写真の一番左)が原型となっています。

 そのドライビングシューズを開発するにあたり、マツダからはクルマの運転に必要な要素が要望として渡され、ミズノではそれを受けて人間工学やスポーツ&トレーニングの分野で培ったシューズデザインの技術によって再構成する、というプロセスによってこれまでにない機能を持ったドライビングシューズを作りあげました。

 この「ベアクラッチ」のコンセプトは「Drive&Life」です。そのマツダとの共同開発で生まれたドライビングが快適に楽しく行える機能をそのまま受け継いで、新たに「LIFE」という活用分野の広がりを付加した意欲的な商品だったのです。

 ドライビングシューズというと、プロドライバーやサーキット走行を楽しむ人のためのシューズというイメージが強いと思いますが、ミズノではもっと使用シーンを広げていきたいと考え、普段履きのシーンに重点を置いて「LIFE」の要素も持ち合わせたシューズを作りあげました。

 具体的には、ドライビング中はもちろんのこと、そのままショッピングやレジャーにシームレスで履き続けられるというシーンを想定したシューズにしたいということです。

 これまでのドライビング専用のシューズでは、足裏の感覚を優先するためにソールを薄く作ることがセオリーでしたが、もっとカジュアルに履いてほしいという狙いのため、普段履きに耐えるようなしっかりした厚みのあるソールが必須と考えました。

 そのため、この「ベアクラッチ」は、ドライビングシューズとしては異例なソールの厚さを持っています。

 しかし、ソールの厚さと足裏の感度は両立しづらい要素です。その相反する要素を両立するための技術が、「MIZUNO COB」と名付けられたソールの構造です。

 ミズノではトレーニングシューズの開発で平衡感覚を養うために足裏の感覚を補助する機能として、ソールの構造で対応する方法を開発していました。ざっくり言ってしまうと、「足ツボサンダル」の仕組みです。

 中敷きのミッドソールの上面に粒々を設けることで、足裏の感覚を点で集約して解像度を高めるというものです。

「ベアクラッチ」では、つま先から土踏まずの手前までの範囲にその粒々が配されていて、繊細なペダルワークに求められる感覚をサポートするという仕組みです。

「COB」というのは「Center Of Balance」の略で、先述の平衡感覚の補助という働きを表しており、さらに粒々を表す「コブ」にも意味が掛けられているそうです。

 また、ドライビングシューズに求められる基本装備としてのラウンドソールも、マツダとの共同開発で得られたノウハウで最適な形状に仕上がっています。

 そして、普段履きを想定すると履き心地も重要になってきますので、ランニングシューズのノウハウを活用して、上質なアッパー素材を使用してソフトで履き疲れしない履き心地となっています。

 気になるのは価格ですが、この「ベアクラッチ」はカジュアルに履いてほしいという狙いにフィットさせるため、表皮に合成皮革を使用するなどのコスト低減の工夫を行なって、1万3500円(税抜)という低価格を実現しています。

 この価格なら、タクシーやバス、配送業や営業車のドライバーなど、運転する時間が長い職業ドライバーの人たちにもオススメできるでしょう。

 現状はデザインが1種類のみで白/黒/ネイビーの3色展開ですが、2022年9月の発売以来好評のため、バリエーションを増やしていく方向で検討しているそうです。

 そして、この「ベアクラッチ」と組み合わせることでさらにペダルワークが快適になるというソックスも併せて展示されていました。

 このソックスは「背屈サポート」というドライビングをサポートする機能が盛り込まれた製品です。

 背屈サポートというのは、アクセルやブレーキペダルを踏むときにつま先を伸ばしたときにそのつま先を戻す動きをラクにしてくれる機能です。

 サーキットでせわしなくペダルワークを行うときや、長距離の運転でパーシャル状態を保つことは意外と疲労に繋がります。「背屈サポート」はその疲労を低減してくれるそうです。

「ベアクラッチ」との併用で最大限の効果が発揮出来るとのことですが、ソックス単体でも、長距離の運転に試してみたいアイテムですね。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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