この記事をまとめると
■2023年8月、マセラティは62台限定のサーキット専用車「MCエクストレーマ」を発表した
■MCエクストレーマのスタイリングは、さまざまなレギュレーションの制約を受けない革新的なもの
■MC20をベースとしたモデルで、最高出力は730馬力を誇る
これはマセラティからの贈り物だ
マセラティが、「プロジェクト24」のネーミングを掲げ、密かに最高レベルの独自性と個性、そして卓越した技術と美しさを持つモデルを開発しているという噂は、かなり以前から、本社のあるモデナの周辺では耳に届いていた。それが「MCXtrema(以下:MCエクストレーマ)」というMC20をベースとした、わずかに62台のみが生産されるサーキット走行専用車であることが明らかにされたのは昨年の2023年、モントレー・カー・ウイーク期間中のクエイル・ロッジで開催されたモータースポーツ・ギャザリングでのこと。
それはジェントルマンドライバーやレーシングカー愛好家のために開発された、マセラティからの心からの贈り物ともいえただろう。
MCエクストレーマは、マセラティ・コルセ(レーシング)のエッセンスを表現したブランドの新たな創造物であり、マセラティがこれまで手にした数々のレースでの成功や、レース界における誇り高き伝統を受け継ごうとするモデルである。スピード、エレガンス、スタイル、ラグジュアリーを追求し、マセラティの卓越した能力をこのMCエクストレーマは表現している。
そのもっとも顕著な例は、やはりエクステリアのデザインにある。レースでのレギュレーションにも、そしてオンロードでのレギュレーションにも、一切の制約を受けないMCエクストレーマのボディは、まさに妥協のないエアロダイナミクスを具現化したかのような革新的なもの。
フロントボンネットにはマセラティの象徴でもあるトライデントのデザインをベースとしたエアロダイナミクスチャンネルが設けられ、フロントとサイドのエアロダイナミクスフィーチャーもまたそれぞれに確かな機能を持つ。テールランプもマセラティらしいユニークなデザインが採用され、エキゾーストシステムはリヤグリルの中央に導かれる上方排気のスタイルだ。
インテリアは、ミニマリズム、ドライバーの没入感、そしてデストラクチャーと呼ばれるネイキッド効果による快適性をコンセプトにデザインされたもの。余分なプラスチックはダッシュボードから完全に取り除かれ、専用のクロスビームがそれに代わる。
メーターやスイッチ類はステアリングとドライバー左右のパネルに集約され、操作面でもそれは迅速に容易なアクセスを可能にする。オプションではパッセンジャーシートの選択もできる。