プロが太鼓判! 一見普通だけど「乗ると衝撃」の「愛車候補に入れるべき」クルマ8選 (2/2ページ)

まだまだあるぞ! 忘れちゃいけない現行モデル

三菱デリカミニ

 サクラがでてきたところで、いまもっとも旬な軽自動車といえば、「デリ丸。」くんのTVCMでもおなじみのデリカミニだ。eKクロススペースをベースに、三菱自慢のデリカ風に仕立てたクロスオーバーモデルだが、お薦めの4WDモデルは165/60R15サイズのタイヤ、専用チューニングされたサスペンションを奢り、軽自動車最大級の大径タイヤによって最低地上高160mmを確保。とくに余裕あるターボエンジンを積み、日産のプロパイロットに相当する三菱版の先進運転支援機能のMIPILOTなどを標準装備する最上級グレードのT Premiumはシリーズのイチオシ。軽自動車に抵抗ある人でも納得しやすい出来栄えだ。

 実際、東京から南房総へとドライブしたのだが、2名乗車+愛犬+1泊2日の荷物満載の状態でも、動力性能、快適性は文句なしだった。本当にいま、軽自動車に乗っていることを(サクラもそうだが)忘れさせてくれるほどの実力の持ち主だ。

 しかも、驚くべきは荷物の積載性。ベビーカーやペットカートなどを無理なく積み込め、さらに機内持ち込みサイズのキャリーケース2個とその他の荷物を余裕で積み込めるラゲッジスペースが確保されているのだ。

 シートアレンジも素晴らしく、肝は後席のロングスライドが、異例にも前方に大きくスライドするところ。ラゲッジスペースの奥行は、結果として後席最後端位置の約290mmから後席最前端の約675mmまで拡大することができ、想像以上の荷物の積載が可能。

 しかも、後席を他車にはないスライド量で前端にセットすれば、前席との距離が接近し、後席に乗った子どもやペットとの距離が近づき、お互いに安心して乗っていられるメリットまである。筆者の場合、愛犬を後席に固定したドッグベッドやペットカートのコットに乗せたのだが、フロアにも落ちにくいということも判明。アウトドア派だけでなく、愛犬家にも超お薦めしたい軽自動車の1台だ。

スバル・クロストレック

 クロスオーバーモデルで高い走破性と抜群すぎる乗り心地を実現しているのがスバルのクロストレック(AWD)だ。兄貴分の都会派クロスオーバーモデルのレイバックとは異なり、AWDモデルにはフォレスターなどにも採用される、悪路、雪道での脱出性能を高めるXモードと本格な最低地上高200mm、そしてスバル自慢のAWDによって、見た目のスタイリッシュさとは裏腹の絶大なる走破性を備えた1台。

 しかし、普段のオンロード走行(路面の荒れた道、山道を含む)での乗り心地の良さと車内の静かさは、オールシーズンタイヤを履いていながら、スバル史上最上どころか、並みいる上級クロスオーバーモデルを凌駕するほど。

 聞けば、ファルケンのオールシーズンタイヤの出来が想定以上だったとか。その証拠に、格上のレイバックにも再採用されたほどなのである。手頃な価格、サイズと合わせて、アウトドア派、SNOWスポーツ派にもぜひとも経験して欲しい1台である。

スズキ・ソリオ

 ユーティリティに満ちたコンパクトカー、それも両側スライドドア完備のクルマが欲しいというなら、スズキのソリオがお薦めだ。全幅1660mmでしかないナローボディの持ち主で、狭い駐車スペースや道でもスイスイ走れるところもさることながら、室内の広さと荷物の積載性はもう驚くばかり。

 身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で後席に座れば、頭上に215mm、膝まわり360mmもの余裕があり、後席を最後端位置にセットすれば前席は遥か遠くにある、という具合。

 さらに、ラゲッジスペースはフロア奥行最大715mmに達し、機内持ち込みサイズのキャリーケースを5つ積み込むことができ、さらに機内持ち込みサイズのキャリーケースひとつを床下に積み込めるのだから、まさに魔法のパッケージというしかない。

 パワーユニットはストロングHVとマイルドHVがあるが、このクラスは価格命でもあり、マイルドHVで十分な動力性能と、想定外の乗り心地のよさ、車内の静かさ、スリムサーキュレーターによる1年中快適な後席居住性を堪能できるのだ。新型スペーシアから採用された電子パーキングブレーキやオートブレーキホールド機能などは未装備ながら、価格対満足度の極めて高い超実用車といっていい。

ルノー・ルーテシア

 輸入車は燃費が悪い……そう敬遠している人にうってつけなのが、ルノーのルーテシアE-TECH FULL HYBRIDだ。輸入車、フランス車の入門としても相応しいルーテシアは、そもそもの走りのよさ、爽快さが際立つ、走り好きをも唸らせるフレンチコンパクトだが、E-TECH FULL HYBRIDのWLTCモード燃費はなんと25.2km/Lと、輸入車ナンバー1レベル(EVを除く)。

 走りにこだわりつつ、燃費の良さも譲れない、という人には、先進的装備、機能を含め、大穴的1台となりうるに違いない。

ルノー・カングー

 このほか、ルノー・カングーの最新型も先代までとは別物の走り、先進運転支援機能を備えているから、先代基準ではリストから落ちていた人も、ぜひディーラーで試乗してみるといい。

 その一気に現代的になった進化の度合いに驚くはずである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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