ランボルギーニはわかりやすくほとんどの車名は「牛」!
さて、一方のランボルギーニはマラネロに比べて歴史も浅く、型式名でレースにエントリーなんてこともしていないので、ずっと簡単です。創業当初こそ3500GTや400などと平易な車名を使っていましたが、3モデル目にあたるイスレロからはほとんど「牛」。唯一といっていい例外はカウンタックで、これが同社で一番有名になってしまったのは皮肉としか言いようがありません。
さて、カウンタックLP400は「Longitudinale Posteriore(意訳すれば車体後部に縦置き)」の頭文字と4リッターエンジン、すなわち4000ccの10分の1をコード化したもの。LP400Sの場合はスペシャルのSで、5000QVはフェラーリ同様5リッターの4バルブエンジンと、じつにわかりやすいものです。
ところが、ミウラのP400というのは諸説あります。一般的にはカウンタックで使われた「Posteriore」、つまり車体後方(ミッドシップ)からとったとされていますが、ミウラそのものがプロトタイプとして誕生しており、市販はだいぶ後に決定されたことから、「Prototipo(プロトタイプ)」のPとする説もあります。
なお、追加モデルのP400SVは、「Sprint Veloce(意訳すればより速いスピード)」のイニシャルを使用しています。
そして、有名な「J(イオタ)」はFIAのツーリングカー/GTカー競技規定「アペンディクスJ項」に即したカスタムというのが定説。
ちなみに、イタリア語に「J」を使うことはないため、当時のテストドライバー、ボブ・ウォレスが「イタリアには存在しないミウラ」とした、などという説もありました。このあたりは、スーパーカーの歴史家でさえ決定的な解を見つけていないようです。
なお、ミウラも牛の名前かと思いきや、闘牛を育てる牧場の名前です。先のイスレロ(こちらは伝説的な闘牛の名前)を育てた牧場であり、またオーナーのフェデリコ・ミウラはフェルッチオの親友だったとのこと。似たようなケースだと、ガヤルドも牛ではなく、その育成者、フランシスコ・ガヤルドから命名されています。
ともあれ、数字をコアに据えたフェラーリも、牛にこだわったランボルギーニも、スーパーカーの代名詞ですから、どんな車名であっても条件反射的にワクワクしてしまう、これこそクルマ好きの性(さが)かもしれませんね。