まさに「ありがた迷惑」!
3つめは、日本車のみならず輸入車でも採用している車種がありますが、シフトを「R」に入れてバックしようとすると、勝手に助手席側のサイドミラーが下を映す角度に動き、地面しか見えなくなってしまう機能。これは白線のある駐車枠に停める際に、通常のサイドミラーの位置だと助手席側の白線を確認するのが難しいから、よく見えるようにしてくれるというもの。
たしかに、障害物がいっさいなく、ほかに駐車しているクルマもいない状況なら、白線だけを見てバック駐車すればいいのですが、そんな条件で駐車できる場所なんて、この狭い日本にほとんどないんですよね。多くの場合は、ブロック塀や柵やポール、花壇や植木鉢、隣りの車両など、さまざまなものと隣り合った駐車枠にバック駐車する状況ではないでしょうか。そうした状況では、白線だけを見ていたら隣りにぶつかりそうになります。横にあるものとの空間がどれくらいなのか、常に把握しながら車庫入れをしたいのに、勝手に地面しか映さなくなるという、まことにおせっかいな機能なのです。
4つめは、赤信号で停車中に同乗者と会話が弾んで横を向いていたり、景色に見とれていたりすると、急にピンポンと音が鳴って「前方の信号をご確認ください」とアナウンスが流れてくることがあります。これは最近、先進安全運転支援システムなどに採用されている機能で、前走車が走り出したことを音声などでお知らせしてくれるものもあります。日本人はせっかちな人が多いのか、たしかに青信号に変わってからすぐに発進せず、モタモタしてると後ろからビビーッとクラクションを鳴らされることもありますので、教えてくれて助かった、ということもあると思います。
ただ、この機能もまだ完璧ではないので、誤認識が多いところがちょっと厄介。信号が短い区間に連続しているところなどでは、まだ目の前の信号は赤なのに、ひとつ先の信号が青になったからといって「信号をご確認ください」というアナウンスが流れると、ちょっとイラッときてしまうんですね。
前走車もそうです。赤信号の先の最後尾にいる車両が動き出したからといって、こちらはまだ赤信号にひっかかっていて走り出せないのに、そんなのお構いなしに「前走車をご確認ください」と言われてしまう。ちょっと、おせっかいですね。
5つめは、自動開閉のバックゲートを持つクルマが増えてきて、手を使わなくても足の動きだけで自動開閉できたり、指で触れるだけで開けることができるようになりました。閉めるときにはあらかじめバックゲート側のスイッチを押しておけば、閉まった後にロックまでしてくれるなど、便利に使えるものですよね。そこでふと気づくのが、キーにあるバックゲートのスイッチ。
これって、いつ使うためにあるのでしょう? 荷物を両手に持っていたらそもそもキーを取り出せないし、自分がクルマの近くにいないときに間違って押してしまって、勝手にバックゲートが開いたら不用心でイヤだし、なくてもいいのでは? という声も聞こえてきますね。
ということで、便利な機能は日々進化していくものですが、おもてなし大国・ニッポンでもさすがにやりすぎかも? という装備たちでした。