アナログ領域の排除で完全オンライン化するのが狙い
しかしながら、このワンストップサービスにおいて課題となっているのが、車庫証明ステッカーこと『保管場所標章』なのです。物理的にステッカーが必要となるため、完全オンラインで済ませることはできず、ステッカーを受け取る必要があるのです。
ただし、その手間はユーザーだけが被るわけではありません。ワンストップサービスを利用した場合、所轄の警察は保管場所標章を郵送しなければいけないのです。
東京を管轄する警視庁の場合、書類一式と返送用レターパックを警察署に郵送すると、保管場所標章や書類の写しなどを送付するという業務フローになっています。その対応には人件費を含めたコストがかかるのは言うまでもありません。
とはいえ、法律で決まっているために保管場所標章の送付を省くことはできません。オンラインのワンストップサービスによってデジタル化を推進しても、こうしてアナログ領域が残ってしまうのは、効率化のネックとなります。
前述したように、保管場所標章には表示義務はあっても、非表示の罰則はありません。そうした背景もあって、車庫証明ステッカー(保管場所標章)を廃止することが議論になっているといえるでしょう。
また、車庫証明ステッカーについて、ユーザーは1枚あたり500円を負担しています。デジタル化によってペーパーレスを目指している時代に、500円で標章を配布するというのも時代に即していない感があります。
いずれにしても、自動車関連だけでなく、行政のオンライン化が進んでいくなかで、車庫証明ステッカーの廃止を検討しているというのであれば、ユーザーメリットもある前向きな改革のシンボルとなるでしょう。
長年親しんできた車庫証明ステッカーが消え去ることに若干の寂しさを感じるかもしれませんが、デジタル対応としての発展的解消として、おおいに歓迎したいと思います。