ボロい見た目の愛車を一気に蘇らせる必殺技「オールペン」! 手順と値段とデメリットをお伝えします (2/2ページ)

買い換えたほうが安い? どのくらいの費用が必要なの?

■全塗装の費用は?

 気になるのはその費用ですね。前述のように塗装にはかなりの手間と時間、そして設備が必要になるので、それなりに高額な出費になります。

 具体的な金額としては、安い下限としては10万円台で行う業者もあるようです。ただし、その場合は、おそらくですが上で説明している工程のどれかを簡略化して塗装のコストを抑えていることが考えられます。

 標準的なセダンタイプかつソリッド系のカラーであれば、平均額は30万円前後ではないでしょうか。もちろんこの額はメーカーの標準色の場合で、塗装の層が多くなる特殊なメタリックやパール系の塗装の場合は割り増しになります。

 また、鮮やかな赤系や黄色系のカラーはその色味を出すのが難しいらしく、塗料自体が割高になるとの話もあります。

 そして、ワンボックスタイプや大型のSUVなどは塗装の面積自体が大きくなるので、塗料の量と作業工程が増えるため、面積分の料金が加算されます。

■全塗装のメリットとデメリット

 全塗装するメリットは、なんといっても愛車が以前の状態かそれ以上の輝きを取り戻せるという点でしょう。「塗装だけでこんなに蘇るのか!」というくらいにリフレッシュの効果が得られると思います。

 また、自分好みの色に塗り替える場合は、リフレッシュとともに、より愛車が自分のものになったような満足感も得られることでしょう。街なかで同じ車種と居合わせたときも、居心地の悪さを感じることなく、優越感すら感じるでしょう。

 一方でデメリットはどうでしょうか。

 まずは、売却時の買い取り査定に響く可能性があるという点です。これは全塗装の仕上げ品質次第という部分はあります。

 そもそも「プロに塗ってもらったのに、査定のときにわかってしまうのか?」という点も気になりますが、結論からいうと、査定経験の豊富なプロが見れば、ほぼ確実に見分けられるそうです。たとえばウインドウのゴム部分をめくって境界を見たり、ドアを開けた開口部の塗り分け具合を見たりすると、新車時との違いをあっさり見分けてしまうのだとか。

 ただし、この点についてはデメリットとは決め付けられないでしょう。そもそもが古い塗装が劣化している状態だったことから全塗装を行ったわけなので(今回の例の場合)、その状態と比べたら査定額は決して悪い方に振れるということにはならないでしょう。

 ただ、それも塗装のクオリティ次第となりますので、費用をケチって仕上げが粗いところに依頼すると、売却時につじつまが合わされてしまうことも考えられますので、どう考えるかは難しいところです。また、色を塗り替えてしまっている場合でも査定が下がる場合があります。

 自身の愛車をリペイントするかどうかというのは、費用的にも、その後に乗り続ける期間の判断的にもかなりの大きな決断がいることと思います。車種によってはリセールの査定にも影響があります。

 とはいえ、一気に愛車の輝きが取り戻せるリペイントは魅力の手段でもあります。そして、いまでは剥がせば元の状態に復帰できる「ラッピング」という手法も一般的になりつつあるので、じっくり、かつ大胆に判断して決断してください。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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