左右に等しく駆動力を配分できることがメリット
前置きが長くなったが、水平対向エンジンを縦置きに搭載し、その下の車体中央にデファレンシャルを配置できるスバルは、FFにおいても、操縦性に調和のとれたクルマとなり、さらに4輪駆動車となっても、その本質は同じで、左右均一に駆動力を伝達できるので、素性のよい4輪駆動になる。
先にも述べたように、現在では電子制御の活用で横置きエンジンの4WD車でもトルクステアの影響を感じさせない操縦性と駆動の両立を果たせるようになっているが、後処理で修正するより、本質的に素性のよい方式を磨き上げる方が、より優れた4WDになる可能性が高まる。
シンメトリカルAWDにこだわるSUBARUへの信頼感は、そうして醸成されてきた。
余談ながら、EVになれば左右はもちろん4輪への駆動力配分はより自由度を高め、緻密さを高めることになる。
シンメトリカルAWDの究極の姿がEVによって波及していくことになるのではないか。