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ちょっとした一部改良に合わせて価格アップ! いま自動車界で行われる「ステルス値上げ」とは

ちょっとした一部改良に合わせて価格アップ! いま自動車界で行われる「ステルス値上げ」とは

この記事をまとめると

■クルマを製造するときの原材料費や輸送費などが上昇しており値上げが余儀なくされている

■クルマの値上げには装備などを変更しない単純な値上げと一部改良に絡めて価格を高めるステルス値上げがある

■具体例とともにどの部分が値上げしたと感じられるかを紹介する

装備の追加と合わせて原材料費・輸送費高騰分もステルス値上げ

 最近はクルマを製造するときの原材料費、輸送費などが上昇している。そのためにクルマも値上げを迫られている。とくに軽自動車やコンパクトカーは、もともと価格が安いため、原材料費や輸送費の高騰分を利益で吸収できない。従ってメーカーや販売会社にとって、低価格車ほど値上げのニーズも切実になる。

 クルマの値上げにはふたつのパターンがある。ひとつは装備などを変更しない単純な値上げだ。ふたつ目は一部改良やマイナーチェンジに絡めて価格を高めるステルス値上げになる。いまのマイナーチェンジや一部改良では、大半の車種がステルス値上げを実施している。

 まず単純な値上げとして、たとえばホンダの場合、2023年7月にフィット、ヴェゼル、シビック、N-WGNなどの価格を改訂して値上げを実施した。

 これらの内、フィットe:HEVホームの価格は、従来は217万5800円だったが2023年7月の新価格は221万9800円だ。つまり、4万4000円値上げされた。さらにフィットは12月にも約3万円の値上げを実施しており、2024年1月下旬におけるe:HEVホームの価格は、225万600円になっている。

 ちなみに現行フィットが2020年に発売されたときの価格は、e:HEVホームが206万8000円だった。このときの価格に比べると、e:HEVホームは、改良と単純な値上げを含めて約3年間で18万円ほど高くなった。

 ふたつ目のステルス値上げは、前述のとおり、さまざまな車種で行われている。たとえばスズキ・アルトは2023年11月に一部改良を実施した。アルトハイブリッドXは、この改良によりUSB電源ソケットを従来のタイプA×2個からタイプAとタイプC各1個に変更した。これに伴って価格は、従来の125万9500円から138万500円に変わり、約12万円値上げされた。これは明らかにステルス値上げだ。

 トヨタ・ヤリスも、2024年1月に一部改良を実施した。ヤリス1.0Xでは、外観の一部デザインが変わったり、衝突被害軽減ブレーキの検知対象範囲を拡大するなどの変更が行われている。価格は147万円から150万1000円に値上げされ、これも機能の向上以上に値上げされた。

 いまはメーカーや車種を問わず、同様のステルス値上げが増えている。

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