この記事をまとめると
■ハースF1チームの代表に日本人の小松礼雄氏が就任した
■結果を残せるチームとするために、近年はチーム代表にエンジニア出身者が増えている
■2024年シーズンのハースF1チームの戦いぶりに注目が集まっている
なんと日本人がF1のチーム代表に!
2024シーズンのF1で楽しみなのは、ハースF1チームの代表に日本人の小松礼雄さんが就任したこと。
日本人がF1のチーム代表となるのは、トヨタF1の山科忠さん以来15年ぶりで、日本のメーカーが絡んでいないチームでは初のケースとなる。
かつてのF1チームのトップはすなわちチームオーナーで、フェラーリのエンツォ・フェラーリ、ロータスのコーリン・チャップマン、ティレルのケン・ティレル、ウイリアムズのフランク・ウイリアムズ、ザウバーのペーター・ザウバー、ジョーダンのエディ・ジョーダン、ミナルディのジャンカルロ・ミナルディ……は、皆チームオーナーだった。
そうしたオーナーの下に現場を任されるチーム監督がいたのがひと昔前のスタイルだったが、メーカー直系のチームが増えて、チームの規模、人員、予算が大きくなるにつれ、オーナーは自動車メーカーとなった。そして、チームを運営するのはレース屋ではなく経営者(ビジネスマン)や弁護士出身の「チーム代表」という存在に……。
しかし、ここにきてまた流れが変わりだし、各チームとも現場をよく知る人材を登用するようになってきた。
2023年、開幕序盤は低迷していたマクラーレンを、短期間のアップデートで立て直したのは、代表就任間もないアンドレア・ステラ。彼は同チームのレーシングディレクターからの昇格。ミハエル・シューマッハ、キミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソといった偉大なチャンピオンたちとコンビを組んできた実績あるエンジニアだ。
小松さんも、BAR、ルノー、ロータスなどを渡り歩き、ビークルダイナミクス・エンジニア、パフォーマンス・エンジニア、レース・エンジニア、チーフ・レース・エンジニアとして手腕を振るってきた。
ハースF1チームには、2016年のチーム設立時から加わり、去年はエンジニアリング・ディレクターを担当。しかし、チームはコンストラクターズで10位、つまり最下位に沈んでしまった。ハースF1チームの前代表、ギュンター・シュタイナーは、エンジニアではなく、チームマネージャー出身。
チームオーナーのジーン・ハースは、「もう10位になることに興味はない」と語っており、小松新代表には、技術面に専念してもらい、テクニカルでエンジニアリング的なデータに基づいたアプローチにより、チームの技術面を向上、パフォーマンスアップを何より期待されている。