資格を持っているだけじゃ指導はできない!
管理者からの選任
教習指導員の審査に合格すると、「教習指導員資格者証」が公安委員会から交付されます。簡単に言えば合格証のようなものです。この教習指導員資格者証があることで教習指導員として認められます。
しかし、教習指導員資格者証だけ持っていても、教習所で指導することはできません。
なぜなら、道路交通法に次のように定められているからです。
【道路交通法第99条の3「教習指導員」】
1)指定自動車教習所を管理する者は、自動車の運転に関する技能および知識の教習を行わせるため、教習指導員を選任しなければならない。
2)第四項の教習指導員資格者証の交付を受けていない者は、教習指導員となることができない。
3)指定自動車教習所を管理する者は、自動車の運転に関する技能または知識の教習を、教習指導員以外の者に行わせてはならない。
4)公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する者に対し、教習指導員資格者証を交付する。
4-1.次のいずれかに該当する者
4-1-1.公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより自動車の運転に関する技能および知識の教習に関する技能および知識に関して行う審査に合格した者
4-1-2.自動車安全運転センターが行う自動車の運転に関する研修の課程であって国家公安委員会が指定するものを修了した者
4-1-3.公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより自動車の運転に関する技能および知識の教習に関し4-1-1または4-1-2に掲げる者と同等以上の技能および知識があると認める者
4-2.次のいずれにも該当しない者
4-2-1.21歳未満の者
4-2-2.次項において準用する前条第五項第二号または第三号に該当して次項において準用する同条第五項の規定により教習指導員資格者証の返納を命ぜられ、その返納の日から起算して3年を経過していない者
4-2-3.前条第四項第二号ロからニまでのいずれかに該当する者
5)前条第五項および第六項の規定は、教習指導員資格者証について準用する。この場合において、同条第五項第三号中「技能検定員」とあるのは、「教習指導員」と読み替えるものとする。
つまり、21歳以上で、公安委員会の審査に合格または国家公安委員会が指定する講習修了し、管理者(教習所の校長先生とも言われる人)から選任されなければ、教習指導員として運転の指導をすることができないということになります。
指導員デビュー
管理者から選任(指導員として運転の指導をして良いという許可)されると、いよいよ教習指導員としてデビューします。最初は限られた時間のなかで多くのことを教習しなければならないため、あたふたしてしまうこともありますが、時間の経過とともに経験を積むことで、どのように指導すればよいのかわかってきます。
勉強や審査の前後には教養や講習もある
ここまで一連の流れを解説してきましたが、じつは指導員になるためには勉強のほかに、教養や講習を受けなければなりません。この教養や講習では、先輩の指導員や公安委員会の方から指導の方法や指導員としての心得などを学びます。これらを修了しなければ指導員になることはできません。
指導員に必要なのは安全なドライビングテクニック
就職、勉強、教養、講習、審査、選任を経て、教習指導員としてデビューすることからもわかるように、徹底的に安全運転について叩き込まれます。つまり、道路交通法に従った正しい運転ができなければ、教習指導員にはなれないのです。
また、運転や運転に関する知識を教える立場になるということから、一般的な運転の試験より採点基準は厳しくなります。これらの厳しい勉強や試験を突破して運転を教えているのが教習指導員なのです。