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エアの注入はケージに入れる! 移動式のリフトも存在! 知られざる「巨大トラック」のメンテ事情

エアの注入はケージに入れる! 移動式のリフトも存在! 知られざる「巨大トラック」のメンテ事情

この記事をまとめると

■トラックは乗用車よりもハードに使われることが多い

■トラックはハードに使われるぶんだけメンテナンス性を考慮した構造を採用している

■トラックの整備について詳しく解説する

車体を持ち上げて整備することも多い

 トラックは乗用車よりもハードに使われる。ということは、メンテナンスもそれだけ必要、ということになる。一般的な車検整備や故障修理だけでなく、部品の摩耗や劣化による寿命により交換となる作業も乗用車より頻度は多い。そのため、トラックはタフな作りがされているだけでなく、メンテナンス性も十分に考えられた構造になっているのだ。

 現代のクルマは二柱リフトで整備することが前提になっている。それはジャッキアップポイント(クルマをリフトアップさせる際に支持する場所)がリフトのアームをかける場所であり、ジャッキで上げたらリジッドラック(固定台、通称ウマ)で支えるところがなくなって、困るクルマも珍しくない。

 トラックも車体を持ち上げて整備することは多い。シャシーはボディ(荷台)を載せてしまうと上から整備することは難しくなるし、足まわりやエンジン以外は車体の下側からメンテナンスするのが一般的だ。

 トラック用の整備用リフトは乗用車用のように工場に設置するタイプのほか、移動式もある。移動式は、工場内で自由に使いまわせ、また運送会社へ出張整備できるという斬新なシステムもある。4つの柱が独立しており、持ち運んでトラックに合わせて設置し、4基を通信で連動させて車体を持ち上げるのだ。

 実際に見てみると、何もない路面の上にリフトが置かれて大型トラックが持ち上がっているのは、奇妙にも見えるし、不安定にならないのか不安も感じる。しかし、海外では実績のあるシステムらしく、問題はないようだ。

 大型トラックは乗用車と比べてタイヤも大きくて重いから、タイヤ交換やパンク修理も重労働で、危険を伴う作業だ。最近はタイヤを車体から脱着する際にもジャッキを使ってサポートすることで、メカニックひとりでも安全に作業できるようにしている。

 タイヤ交換後の空気注入作業も、バーストによる被害を防止するためにもケージに入れて空気を充填することが推奨されている。

 ホイールナットを締め込む際にも、乗用車と比べて高い締め付けトルクが要求されることから、サポートするブラケットを隣のナットに当て、締め付けトルクの反動をメカニックが押さえ込まなくてもいいものが登場している。

 一方、小型トラックは、使われ方によっては意外とシビアで、整備する側にとっても大きな負担となることもある。

 配送用に使われる小型トラックなどは、24時間3交代制で、ドライバーが代わる代わる運転して荷物を運び続けるような使われ方をすることもある。そうなると、修理やメンテナンスの時間をなるべく短くすることが要求されるのだ。

 配送環境だけでなく、整備工場も24時間体制を自社で確保しているところもあるほどだ。車検整備や修理を夜間に行なって、昼間の稼働率を確保している企業もある。小型トラックは、大型トラックのように100万kmまで使われることはないものの、使われ方によっては大型以上にハードに使われているのだ。

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