乗用車ユーザーには意外! 日本のトラックが軽自動車などが採用する「ドラムブレーキ」を主流とする理由とは? (2/2ページ)

欧州ではディスクブレーキが主流の理由とは?

 他方、欧州の大型トラックは基本的にディスクブレーキを採用しているモデルが多い。スカニアやボルボといった日本でも人気のブランドは圧倒的にディスクブレーキだ。

 これはディスクブレーキのほうが制動力の制御がきめ細かくできることと、放熱性に優れるため安全性が高いからだ。欧州各国を走り回るトラックは峠越えも珍しくなく、日本よりも長い下り坂が続くような道が多い。そうした場所では、エンジンブレーキ(トラックの場合は排気系を活用してより強力な排気ブレーキ)を利用するのは当然として、ディスクブレーキでなければまったく役に立たないのである。

 北米市場ではまだドラムブレーキも多く、ディスクブレーキはオプション装備となっているメーカーもある。これは目的に応じて選べるようになっている、ということだ。

 日本の大型トラックではUDトラックスがボルボグループに買収(現在はいすゞに譲渡)されたこともあって、現行のクオンではディスクブレーキを採用している。

 ABSは当然として衝突被害軽減ブレーキや横滑り防止装置など、ブレーキを活用することによって車体を安定させたり事故の被害を抑えることができるようになってきた。そういった使い方には、繊細に制動力を調整しやすいディスクブレーキのほうが向いている。

 今後は日本のトラックもディスクブレーキになっていくだろう。ドラムブレーキにも良い点はあるが、本当の意味で安全性を考えれば、ディスクブレーキのほうが安心なのだ。


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