乗用車ユーザーには意外! 日本のトラックが軽自動車などが採用する「ドラムブレーキ」を主流とする理由とは? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日本の大型トラックはドラムブレーキが主流

■対して欧州ではディスクブレーキの採用が多い

■その理由について詳しく解説する

中低速域からの制動が多い日本ではドラムブレーキが向いている

 このタイトルを見て違和感を感じる一般ドライバーも少なくないだろう。乗用車ではディスクブレーキが完全に主流で、ドラムブレーキはFFコンパクトカーやミニバン、軽自動車のリヤブレーキに使われているくらいで、2000cc以上のクルマでは四輪ディスクブレーキが圧倒的に多い。

 ディスクブレーキは放熱性に優れるため、繰り返しの制動に強い。一方、ドラムブレーキはドラムとシューの接触面積の多さから制動力に優れ(これは意外と知られていない)、軽量でコストも安いというメリットがある。

 こう書くと日本の大型トラックの多くがドラムブレーキを採用しているのが、理解できるのではないだろうか。そう、日本の大型トラックはドラムブレーキがいまだに主流なのである。

 制動力が強く、コストも安ければ運送会社はそちらを選びたくなる。安心と効率を考えれば、当然のことだろう。

 大型トラックの場合、ブレーキドラムも結構な重量になるので軽量化には貢献しないが、制動力については制動の立ち上がりの速さも含めて、ドラムブレーキのほうが優れている。

 とくに一般道では速度域が低く、都市部ではストップ&ゴーが多いなど、中低速域からの制動が多い日本ではドラムブレーキのほうが向いていたのだ。これは過積載が常態化していたころの名残もあるかもしれないが、ドラムブレーキをドライバーが好み、運送会社もそれを推していたから、今までドラムブレーキ主流が続いてきたのだ。


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