ど派手なギラギラ系だけが「デコトラ」じゃない! 3つに大別されるイマドキのデコトラ事情 (2/2ページ)

もうひとつの勢力! 「レトロアート」とは

 そんなスーパーアートとデコトラ界の人気を二分しているのは、レトロアートと呼ばれる飾り方。いわゆる昭和の時代をイメージした飾り付けを展開することで、味わい深いデコトラを再現している。

 この場合は、飾りのサイズが小さいため、スーパーアートほど重量はかさまない。たとえ公認車検を取得しても、さほど最大積載量が減トンされずに済むのだ。そのため、仕事車たちにも好まれる飾り方のひとつである。

 ただし、この飾り方をする場合は、過去に対する知識が必要となる。当然のことながら、当時のことを知らずして当時のようなデコトラを築き上げることなど不可能。当時物のパーツはいまや入手困難であるため、見た目以上に費用や手間がかかってしまう飾り方であるともいえる。

 そして、仕事車には仕事車ならではの飾り方が存在する。派手に飾ることをせずに、荷主や顧客を刺激させないように飾るという手法だ。

 荷物を積むためのボディをオーダーメイドで製作したり、燃料タンクや工具箱などの補器類などに手をかけるのである。そうすることでデコトラのことを知らない人たちの目にとまることはなく、マニアからは称賛されるという1台を手にすることができるのだ。

 そのような飾り方を展開するデコトラたちが多くなったことから、「デコトラ=派手」という方程式は過去の産物となっている。その結果、デコトラが減ったと感じる一般の人たちが多いという現状へとつながっている。

 近年では、ユーロ系や欧米風のカスタムを模倣するトラックを見かけることが多くなってきた。外国車をベースにしているならいざしらず、国産車であっても外国のようなカスタムを展開しているのである。

 それはもちろんクールでオシャレではあるのだが、デコトラとは本質そのものが異なっているため、別枠扱いにすることが妥当だろう。

 デコトラとは、そもそも日本発祥の文化だ。にもかかわらず、外国を参考にしたトラックのことをデコトラと同列に考えることは無意味だ。日本が世界に誇る文化は、どれだけあるのだろう。いずれにせよ、これからもデコトラ文化が絶えることなく続いていくことを、切に祈る次第だ。


新着情報