トラックドライバーにとって苦行だった! かつては過酷でしかなかった物流倉庫が快適施設化しつつある理由とは? (2/2ページ)

現在のトレンドは「みんなが幸せになる」事業への投資

 基本的に、投資家は投資に際して回収を目論むものだが、バブル経済期のような短期で自らの利益だけを追うような、ハゲタカファンドは影を潜めた。現在のトレンドは、SDGsに沿った「みんなが幸せになる」事業への投資なのだ。そうなると、当然のことながらトラックドライバーや倉庫作業員に、負担を強いる運営システムや、環境のことを考えていないような施設は支持をされない。逆に、環境対策をしていたり、労働環境の改善に取り組んでいたりする施設のほうが、投資対象として検討されるようになってくるのである。

 そこで注力されるようになったのが、大型トラック向けの駐車場/待機場/プラットホームの増設だ。また、多層階倉庫の場合はランプウェイ式にするなどして、トラックドライバーの負担軽減や着荷・出荷時間の短縮化を図っている。

 さらに、倉庫内の機械化やDX化を進めて、作業の合理化・効率化につなげているのだ。ソフト面では、敷地内に休憩所/コンビニエンスストア/食堂/スポーツジム/シャワールームなどを設け、福利厚生に注力する施設も出てきた。

 一方、トレーラーやスワップボディを使用した中継物流や荷台納品・出荷といった、新たな運送方法に対応した物流施設も、今後ますます増えていくことになるだろう。同様に、トラックのEC化/ハイブリッド化/CNG化/水素化などに合わせて、充電設備やそれぞれの燃料供給拠点の併設も検討されているという。

 これからの物流施設は単なる倉庫としての機能だけではなく、輸送のためのインフラとして進化していくのではないだろうか。


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