デジタコはめまぐるしい進化を遂げている
これは、アナログ式で記録していたデータをデジタル化し、SDカードなどといった媒体に記録する方式をとったタコグラフのことだ。このデータを専用の分析ソフトにかけることで、運行管理・労務管理などが一瞬にして可能になる。円盤状記録紙のようにベテラン管理者がドライバーにヒヤリングをするなどし、専門的に細かくデータを分析する必要がなくなったということである。
この背景には、OBDII(車載式自己故障診断システム)にも代表されるような、クルマ本体の電子化が進んだことがあるといえよう。また、オドメーター(車両の総走行距離計)もそうだが、こういった記録は正確さが求められるのはもちろんのこと、絶対に改竄されてはならないため、よりセキュリティレベルの高いデジタル化は必須であった。
近年、デジタコはめまぐるしい進化を遂げて多機能になってきている。機器本体とさまざまなセンサーが連動し、高度化した分析ソフトで多くのことが同時に解析できるようになったのだ。まず、GPS機能がつくことで懸案であった走行ルートが、一瞬で地図上に表されるようになった。
さらに、ETCの利用履歴/燃料データ/アルコールチェック/売り上げ記録(タクシー)なども同時に管理。目新しい機能では、ドライブレコーダーと連動させることで、運行管理精度を向上させたというのもある。また、これらのデータは記録媒体を介さずにクラウド通信をすることも可能になり、労務負担軽減にも役立っているのだ。
分析ソフトも進化しており、AIが搭載されるなどして、運行管理上の問題定義や解決の策提案、トラックドライバーの個性に合わせた安全走行管理・指導などもできるという。ということで、「デジタコ」と「蛸」は何の関係もない。残念ながら、「アナイカ」も「デジイカ」も存在しないのである。