ここが日本の未来である可能性も! トヨタが作るウーブンシティの激熱な中身 (2/2ページ)

率先して実証実験を進めていく施設になる

 前述のとおり、現在のウーブンシティはまだ建設中なので、具体的にここで何かがテストされているというわけではない。しかし、すでに複数の事業者が参画しており、実証実験に向けて準備が進められているのだ。

 たとえば、日清食品は完全栄養食メニューの提供など、食を通じたWell-beingの実現に向けた実証を計画している。また、リンナイは水素調理器を使用した、カーボンニュートラルへの貢献などに向けた実証を検討しており、その要となる水素エネルギーを担当するのはENEOSである。現在の水素エネルギーといえばガソリンスタンドのような場所で、クルマに注入されているといった光景が一般的だが、ウーブンシティでは人が持ち運べるような、水素カートリッジが実用化するといわれている。

 こういった計画は物流分野でも検討されている。たとえば、先の東京オリンピックで活躍した「e-Palette」を発展・進化させ、人や荷物の運搬・配送を効率的かつ安全に担うための実証実験といったものがそれにあたるといえよう。この車両は、トヨタのMaaS(Mobility as a Service、いろいろな交通手段やその利用システムを需要に応じて統合し、利便性を図る移動サービス)戦略の一翼を担う自動運転電気自動車である。オリンピックでは主に人の輸送に使用されていたが、仕様を変えれば荷物の運搬も可能だ。

 すでに、通販/フードデリバリー/コンビニ/宅配運送といった事業者がその利用を模索しており、ウーブンシティで行われる実証実験に期待が寄せられている。

 さらに、ロボットなどを活用した物流サービスの開発も予定されているという。これが、倉庫作業の自動化・システム化を進める原動力になっていくことは間違いない。ひょっとしたら、ファミレスでおなじみの配膳ロボットのような機械が、宅配を担って街なかを走りまわる日がくるかもしれないのだ。

 このようにウーブンシティは、終わりのない無限の可能性を秘めた研究施設として、段階的にオープンしていくことになる。ここから生まれる明るい未来を、1日も早く体験してみたいものだ。


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