この記事をまとめると
■趣味でデコトラを所有する人が増えている
■プライベートカーとしてデコトラを持つ下村裕大さんにお話をうかがった
■趣味を同じくする仲間と出会えることがかけがえのない喜び
デコトラを所有する喜びと仲間との出会いが得られる
仕事では一切使わずに、趣味としてデコトラを所有する人が増えている。デコトラの世界では、趣味車=プライベートカーと呼ばれるジャンルだ。趣味としては大金が必要そうなその世界。興味があっても二の足を踏む読者も多いのでは? その趣味の世界をデコトラオーナーに直撃してみた。
取材に応じてくれたのは、熊本県に住む下村裕大さん。職業はサラリーマンで25歳の青年だ。幼少の頃からトラックに囲まれた生活環境で育ち、デコトライベントにギャラリーとして見る側で参加していた、根っからのデコトラ好きという青年だ。
下村さんは18歳ですぐに免許を取得し、一般職に就くもデコトラ好きが高じて軽トラの二代目広龍丸を製作した。自身でも「行き着くところまでイジリ倒した」というとおり、デコトラ専門誌に掲載されるほどのデコ軽トラに成長していったのだ。
現在の愛車、三菱ふそうのキャンターは平成8年式。もともとは平ボディのデコトラだったが、縁があって購入のチャンスが巡り合った。大事に育てた軽トラとの2台持ちは、さすがに維持するのが困難だったので売却したという。以後、平ボディを箱に載せ替えたり、飾りを作り直したりと、自分の好みの仕様へとリメイクを施し、完成したのがこの姿だ。キャビン部分はステンレスを多用し、スーパーアート車らしいエクステリアに。一方の箱には幻想的なペイントが箱3面に描かれている。リヤのホイールアーチも独特だ。
趣味としてデコトラを持つ苦労点を下村さんに聞いたところ、自動車税、自動車重量税、自賠責保険などの必要不可避な維持費はかかるが、ほぼ毎日車庫に置いてある状態で、普段の足代わりに乗りまわすわけではないので油代やタイヤ、オイルの交換代はそれほどかからない。
厳密に計算した訳ではないが、維持費は負担にならないそうだ。それよりも“もっと改造したい”とういうデコトラオーナーの欲が沸いてしまい、改造費の捻出が大変だと笑って答えてくれた。
そして、デコトラのある生活でのメリットは、なんといってもデコトラを所有するという満足感と、仲間が増えることだという。見る側でなく、出る側になってイベントに参加し、同じ趣味を持つ仲間との出会いが増えたという。飲みに行く友人もできてプライベートは充実しているそうだ。
愛車の荷台部分は居住スペースに改装しているので、長距離ドライブでの休息や仲間とのBBQなど、大活躍しているデコトラなのだ。
仕事で稼働する商業トラックへのカスタマイズが厳しい昨今、趣味としてデコトラを所有し、自分好みのスタイルで改造を施す世界。同じ境遇の趣味人との交流はかけがえのない楽しみだ。あなたもデコトラのある生活に挑戦してみてはどうだろう。