ナンパ橋に街道ゼロヨンにクルマは親からのプレゼント! Z世代は目が点のバブル絶頂期の仰天カーライフ7つ (2/2ページ)

新車を買うのは当たり前!

●新社会人で新車を60回ローンで手に入れる。

 新卒で社会人となり、数カ月後には60回ローンを組んで新車を買う! かつては120回ローンなんてありませんでした。60回がリミット。それでも5年です。途中で乗り換えることもザラでした。ユーノスロードスターやスカイラインGTS-TタイプMあたりを思い切って買ったはいいものの、そのうちハイパワーなモデルが欲しくなり、結局スカイラインGT-Rなどをはじめとする280馬力スポーツカーに乗り換え……。

 終身雇用の制度が色濃く残っていたバブル時代。給与は年齢とともに上がっていくし、ボーナスも期待できる。だからこそ、無茶なローンが組めたし、乗り換えることができたのです。しかも、そこからさらにチューニングしている人もザラ……。

●最上級グレードがえらい

 初代セルシオでいえばC仕様Fパッケージのフルオプション、メルセデス・ベンツなら無条件で560SEL。ポルシェだったら911ターボ。とにもかくにも「一番イイヤツの全部付き(フルオプション)」がえらい時代だったのです。いまであれば現行アルファードのエグゼクティブラウンジE-Four 4WDフルオプション仕様。はたまたレクサスLMでしょうか。

 オーナーは「一番イイヤツの全部付き(フルオプション)」と自慢できる。販売店は利益率の高い契約が取れる(苦労もあると思いますが)。将来、おトクな中古車として市場に出まわる。よくよく考えるとじつは皆さんハッピーになれる好循環な例かもしれません。

●自動車電話&携帯電話片手に運転

 運転中のスマホ等利用に対する罰則が強化されたのは2019年12月1日から。ちなみに、運転中の携帯電話の使用に罰則規定が設けられたのは2004年の6月3日から。もう20年近くも前なのです。それまではというと……。自動車電話&携帯電話片手に運転している光景があたりまえでした。

 自動車電話、そして初期の携帯は重かったし、腕がしびれたものですが……。テレビドラマでも、運転中に携帯電話で話しているシーンがごく自然にオンエアされていました。再放送するときはカットされるのでしょうか。

●パパにクルマを買ってもらえる

 大学に合格したら、就職したら、嫁入り道具として……などなど。ライフステージの節目でパパ(※実の父)からクルマを買ってもらえる裕福な家庭がいま以上に多かったことも事実。某ディーラーでは、ご主人はメルセデス・ベンツ、奥さまはアウディ、お嬢さんはフォルクスワーゲン(または小ベンツといわれた190E)といった組み合わせが珍しくなかったとか。

 バブル絶頂期の当時、とある雑誌でパパからフェラーリ・テスタロッサを買ってもらったという女子大生が記事になっていたのを見て驚いた記憶があります。件の女性、現在はおそらく50代中頃のはず。どこで何をしているのでしょうか。

まとめ:Z世代の親にとっての当たり前は現代の……

 こうして挙げてみると、バブル期はいかに見栄を張ってナンボな時代であったかがうかがえます。そもそも、見栄を張るにも体力がいりますし、原資となる相応の収入がなければできません。あの狂乱の時代はもう訪れることはないのでしょうか。

 それにしても、バブル期に自動車電話や携帯電話を所有できる(当時はレンタルのみでしたが)のはごく限られた人たちだけだったのに、待ち合わせも普段の連絡もどうにかなっていたのが不思議なくらいです。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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