この記事をまとめると
■トヨタ自動車用ディーゼルエンジンの出力試験において違反行為が発覚
■不正行為のあった自動車用ディーゼルエンジンは3種類で10車種が対象となる
■トヨタは、ハイエースやランクル300などすべての対象車種の出荷を停止した
対象となる10車種の出荷を一旦停止
かねてより問題となっていた豊田自動織機によるフォークリフト、建設機械用エンジンの国内排出ガス認証不正。この調査を委託した特別委員会からの報告書に、トヨタが認証申請手続き用に豊田自動織機に委託した自動車用ディーゼルエンジン3機種の出力試験において、違反行為があったことが記されていた。
報告書によると、出力試験時に量産用とは異なるソフトを使ったECUを用いてエンジンの出力性能を測定し、測定する数値が安定するようにバラつきを抑えて報告する行為が行われたという。
なお、該当するエンジンが搭載された車両は、グローバルで10車種(うち日本6車種)にのぼるが、これらエンジン/車両に関しては、工場で生産した量産品をあらためて検証し、エンジン出力の基準を満たしていることは確認しているとのこと。したがって、直ちに使用を停止する必要はないという。
今回の調査結果を踏まえ、豊田自動織機は対象のエンジンの出荷を一旦停止。またトヨタも、当該エンジンが搭載された車両の出荷を一旦停止することを発表した。
今回の不正行為対象エンジンとそれを搭載する車両は以下の通り。
エンジン:1GD
ランドクルーザープラド(2020/8〜、生産終了)(日本、欧州、中東、アフリカ、アジア)
ハイエース/グランエース/マツダ・ボンゴブローニイバン(2017/12〜)(日本、欧州、中東、アジア)
ダイナ/日野デュトロ(2021/5〜)(日本、アジア)
ハイラックス(2020/5〜)(欧州、中東、アジア、アフリカ)
フォーチュナー(2020/5〜)(欧州、中東、アジア)
エンジン:2GD
ハイラックス(2020/5〜)(日本)
イノーバ(2020/7〜)(アジア)
エンジン:F33A
ランドクルーザー300(2021/8〜)(日本、欧州、中東、アジア、アフリカ)
LX500d(2022/1〜)(欧州、中東、アジア)
これを見ると、ハイエースやランドクルーザー300など、日本だけでなくグローバルで人気を博しているモデルも含まれていることがわかる。今回の出荷停止の影響がどれほどまで及ぶかは予想がつかない。早期に問題が解決することを望みたい。