多機能ステアリングの採用で持ち位置が変わった?
教習所ではハンドルの持ち方についてどのように教えているのか?
教習所のハンドルの持ち方をひと言でまとめるのであれば、「外側を持つ」という指導になります。そのため、9時15分の位置で持つよう指導されたり、10時10分の位置を持つよう教えられたりするのです。
また、ハンドルをまわす練習をするときは、内側を持って(内掛けをして)まわさないよう指導します。
さらに、ハンドルを持つ位置によって、さまざまな危険性があることについても指導することもあります。
例えば、ハンドルの上側(12時の位置)を持つとエアバッグが作動したときに自分の手で顔面を強打してしまう可能性があることや、ハンドルの下側(6時の位置)を持つと手が足に引っかかってまわしたいときにまわせなくなる可能性があるなどです。
このように、さまざまな危険性や万が一のときのことを伝えると、自然とハンドルを持つ位置が9時15分の近辺となり、10時10分から8時20分の間でハンドルを持つ位置を調整するようになります。
ステアリングの形状からも9時15分を基準にするのがベスト!
ここまで、教習所における運転指導という側面からハンドルを持つ位置について解説してきました。では、ステアリングの形状から考えたとき、どの位置を持つのがベストなのでしょうか。
クルマのステアリングには、円形、楕円、D型、多角形型など、さまざまなタイプがあります。車種やグレードなどによってステアリングの形状や素材が変わることがありますが、どのステアリングにも共通していることは、持つ部分がグリップしやすくなっているということです。
高級感をセールスポイントとしているクルマのステアリングでは、10時10分から8時20分までの部分が本革でその他がウッドになっていることがあります。スポーツタイプのクルマやスポーティな演出がされているクルマのステアリングは、10時10分から8時20分までの部分がディンプル加工になっている場合が多いです。
また、多くのクルマに採用されているステアリングスイッチも9時15分近辺に集中しています。パドルシフトがついているクルマを見ると、ステアリング連動タイプの場合は9時15分、固定式の場合は10時10分から8時20分あたりまでレバーが伸びているタイプが多いです。
このようにステアリング形状から見ても、持つ位置は9時15分が基準となっていて、10時10分から8時20分までの間で調整しながら持つようになっているといえるでしょう。