アプリで呼ぶのに支払は現金の「インドのウーバー」! お釣りもないし金額のごまかしも当たり前のインドのカオスっぷり (2/2ページ)

お札の枚数をごまかすなんて当たり前!

 そのひとつが札束をもらうと、たいてい数枚は札が少ないこと。たとえば1万ルピー(約1万6900円)を受け取ったとすると、たいていは9500ルピーなど少ない束になっているといわれている。

 南カリフォルニアで自動車販売ビジネスに従事していた知り合いが、インドではないものの、比較的近所に住むインドと国境を接する某国の人に中古車を販売したので、「それを届けるのを手伝って欲しい」といわれたことがある。

 知り合いのあとについてレンタカーでクルマを売った人の家に行くと、そこで知り合いが輪ゴムでまとめられたアメリカドル100ドル札の束を渡された。すると知り合いはテーブルに受け取ったドル札を1枚ずつ並べだした。そして「400ドル少ない」と伝えると、「バレたか」といった感じで不足分の400ドルが渡されていた。

 帰りの車内で知り合いは、「私の経験したかぎりでは、インドやその周辺出身の人のなかには、輪ゴムのようなものでまとめた札束を渡しますが、本人のいう金額より少ない金額になっていることが結構あります。彼らはそれを『われわれの商慣習』と言い、その場で確認しないのが悪いといってきます。

 しかも、日本の銀行員のように格好良く札を数えて足りないと伝えても彼らは『ごまかしている』と認めないので、テーブルに1枚ずつ置いて確認させるようにしています」と話してくれた。

 桁数の多い金額表示ではグローバルと異なるカンマの付け方をするので、よくわからなくなることもある。多少ごまかされたとしてもいままでの体験では円換算ではたいしたこともないので、筆者は「不思議な国のインド」を体感させてもらった代金として割り切っている。

 かつて中国でも、ちょっと目をそらした瞬間にニセ札にすり替えられたことがある。

 新興国でお金のやり取りをするときは、けっして目をそらさないようにして、最大限の注意を払うことをおすすめする。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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