こんなのじゃさすがにテスラには勝てないだろ!
このAvtotor Amber、顔はほとんどウマヅラハギだ。というか、通常は5cmぐらいであるウマヅラハギの身幅を1.8mぐらいまで無理やり広げ、体長も4mだか5mぐらいにして、ついでにおちょぼ口もワイド化させ、そこにタイヤ4つを付けたうえで全身を赤く塗れば、おおむねAvtotor Amberになるだろう。もしくはコインランドリーにある洗濯機を横倒しして赤く塗れば、ほぼコレになる。
まぁAvtotor Amberというクルマのスペックはまだぜんぜんわかっていないのだが、使用されているシャシーとモーター、バッテリーパック、電子機器のすべてはロシア製であるらしい。
1996年にロシアの飛び地であるカリーニングラードで創業されたAvtotor社は、以前はBMWやGMのクルマをOEM生産していたようだが、2022年2月にロシアがウクライナへの侵略を開始して以来、西側諸国の自動車メーカーやサプライヤーは相次いで撤退。そのため、このAmberなるロシア初のEVも、純国産パーツで作らざるを得なかったのだろう。じつは中国製部品を使っているのに「ロシアの国産部品なのだ!」と嘘をついている可能性もあるが。
Avtotor Amberはカリーニングラードにある工場で2025年までに生産開始となる予定で、年間5万台が生産されるらしい。……純ロシア製EVを買うロシア人が年間に5万人もいるのかどうか知らないが、まぁ人口約1億4000万人の国なので、5万人ぐらいは買うのかもしれない。ロシア人も内心は「じつはテスラが欲しい」と思っていそうだが。
で、コレの開発を担当したモスクワ工科大学は、報道によればAvtotor Amberのことを「テスラキラー」と称しているらしい。何をどう勘違いすれば、この洗濯機もどきでテスラを撃破できると確信できたのか? 筆者はむしろそこに興味がある。
いずれにせよ「世界で一番醜いクルマ」の座は、このたび“醜車界”に彗星のように現れたAvtotor Amberが射止めることが決定した。これまで醜車界のナンバーワンはフィアット・ムルティプラの前期型であるとの見解が一般的だったが(僕ぁ好きですけどね)、Avtotor Amberと比べれば、ムルティプラ前期型など「絶世の美女または美男子」にも見えてくる。
世の中、何にだって上には上がいるのだなぁ……ということを改めて痛感させられた、このたびのAvtotor Amber登場であった。