走っても楽しいし実用性だって十分
4つめの理由は、自分の手足のように運転できるようになりたいと思わせる、意外に一筋縄ではいかない運転の難しさがあるところ。ターボエンジンはスズキの軽自動車でお馴染みの「R06A」型で、5速MTと4速ATがあり、もちろん全車4WDで、従来通りの副変速機付きパートタイム式。
低速トルクがあまりないこともあって、発進直後はヨッコラショという感じで、2速、3速とシフトアップしていっても、普通に運転しているとそんなに余裕のある加速フィールではありません。
でもこれが、だんだんとコツをつかんで運転するようになると、スムースさやパワーのゆとりが生まれてきて、ジムニーがイキイキと走っているように感じられます。こうなってくると、楽しさ倍増。副変速機はなかなか街なかでは使うシーンがないですが、オフロードや雪道で使ってみると、また違った楽しさが味わえます。これが病みつきになるところでしょう。
5つめの理由は、意外に後席が使えるという実用性。日本のジムニーは3ドアなので、家族のクルマとして買うには躊躇してしまうかもしれませんが、乗り降りだけちょっとガマンすれば、じつは後席のスペースはけっこう広く、大人ふたりでも快適に座れます。左右のタイヤハウスのちょうど真上になるところが、バッグ置き場としてもピッタリなので、狭さを感じないのです。
ラゲッジは横開きのバックドアで、開閉するときにスペースは取りますが、フラットで荷物は積みやすいと思います。後席を倒せば大荷物でも大丈夫。グレードによってシート表皮が撥水加工になっているなど、アウトドアでも汚れを気にせずガンガン使えるのもいいところですね。
ということで、みんながジムニーを大好きな理由を大きく5つ挙げました。また、現行モデルに限っては、デザインがモダンにカッコよくなったことで「ひと目惚れ買い」も多いようですね。ボディカラーもオシャレなので、色で迷う人も多いと聞いています。
さらに、納期が長いことは一概に悪いことでもないようで、ディーラーのスタッフに聞いた話では、ジムニーが納車された日に次のジムニーを注文していく人がいるのだとか。ジムニーは人気なので中古車の買取価格が高く、だいたい1年半くらいで次のジムニーが納車になるころ、最初のジムニーはほとんど価格の下落なしで買取店に売り、新車に乗り換えることができるのです。すごい強者がいるものですね。
海外では5ドアのジムニーが登場して、日本でも出るのか、出ないのか、ヤキモキしている人も多いようですが、ジムニー人気はまだまだ続きそうです。