とにかくクルマの四隅に気を配りながら後退
【3】バックするときは歩いている人よりゆっくりの速度
駐車スペースの前側に停まっているクルマと自分のクルマを平行に並べたら、いよいよバックで駐車スペースにクルマを入れ始めます。ここで大切なのはバックするときの速度です。駐車場は、両隣や前後にクルマが止まっていたり、駐車場内に人が歩いていたり、子どもが走っていたりします。そのため、いつでも止まることができる速さ、つまり徐行でバックさせるのがポイントです。
とくに縦列駐車をはじめとする駐車では、クルマの四隅に目配りしたり注意を向けたりしなければならないため、歩いている人とほぼ同じ速さまたは歩行者以下の速度を作れるようにしておくとよいでしょう。
【4】自分のクルマの後端の向きを変えドアミラーに後ろのクルマが見えるまで角度をつける
駐車スペースの前側のクルマと平行に停めた状態から真っ直ぐバックを始め、自分のクルマの後輪が平行に停めたクルマの後端に差し掛かったくらいでハンドルを素早く左いっぱいに切ります。自分のクルマを左後方に進めているときは、自分のクルマの左後端が隣のクルマと接触しないか確認しましょう。
自分のクルマの後端の向きが変わり始めたら、右のドアミラーにも目を配ります。右のドラミラーに駐車しようとしているスペースの後側に止まっているクルマが少しずつ見えてくるはずです。
自分のクルマの右のドアミラーに映る駐車スペース後側のクルマの前面がすべて見えたところで素早くハンドルを戻し、クルマに対してタイヤの向きを真っ直ぐにします。
【5】周囲のクルマや障害物に当たらないよう気をつけながら逆ハンドルを切ってバック
自分のクルマが駐車スペースに対して斜めになっている状態のまま真っ直ぐバックし、自分のクルマの右の後輪が駐車スペースの枠(駐車スペースの右側部分)に差し掛かったところで、ハンドルを右いっぱいに素早く切り、駐車スペースに自分のクルマの向きを合わせていきます。
このとき、自分のクルマの左前方や右後方が前後のクルマにぶつからないか目配りしながら後退してください。また、駐車スペースに対して自分のクルマの向きを合わせていくと、左後方が縁石に乗り上げたり、歩道に入ってしまったりすることがあります。そのため、クルマの四隅に注意しながら後退しましょう。
【6】微調整をして駐車枠に入れる
自分のクルマが駐車枠にぴったりに入れば駐車は完了です。駐車枠からはみ出てしまった場合には、微調整して駐車スペースに入れます。ここからは、駐車枠に対して左に寄りすぎてしまった場合と、右側がはみ出てしまった場合の対処法を紹介します。
【6-1】駐車スペースに対して左に寄りすぎて斜めになってしまった場合
ハンドルを左いっぱいに切って前進し、前のクルマにぶつからないよう気をつけながら駐車枠に自分のクルマが入るよう調整します。前進させたときに駐車スペースに入り切らなかった場合は、ハンドルを右いっぱいに切って後退すると駐車スペースに入れることができます。
【6-2】右側にはみ出てしまった場合
ハンドルを右いっぱいに切ったまま【4】の最後の位置(クルマに対してタイヤの向きを真っ直ぐにした地点)まで戻り、先ほどより少し奥まで真っ直ぐバックし、ハンドルを左いっぱいに切って後退すると駐車スペースに入れることができます。自分のクルマの左後端が障害物等に接触しそうなときは【6-1】の方法で修正します。
【7】出るときのことを考えて駐車を終える
駐車スペースにクルマを入れることができたら、出るときのことも考えておくとよいでしょう。縦列駐車している場所から前進で出やすくするためには、前のスペースを多めに取っておくとスムースに発進することができます。
ただし、自分のクルマを後側に停まっているクルマのギリギリまで詰めてしまうと、後ろのクルマが縦列駐車から出られなくなってしまう可能性があります。そのため、前後のクルマの発進に支障がない位置になるよう自分のクルマを調整して駐車しましょう。
クルマを後退させるときのポイント
縦列駐車やコインパーキングでの駐車など、クルマを後退させるときは、速度調節、クルマの四隅への目配り(目視確認)、周囲への気配りがポイントとなります。
バックカメラやアラウンドビューモニターなど便利な機能が装備されているクルマであっても、自分の目で目視して確認することは重要といえるでしょう。
なぜなら、カメラを通して見る映像と直接目視するのでは対象物までの距離の感覚が異なるからです。そのため、標準装備されることが多くなっている便利な機能は、運転をサポートする機能として有効に活用する程度に留めておく方がよいでしょう。