この記事をまとめると
■日本にワゴンブームの終盤期に登場したのが日産の初代ステージアだった
■R33スカイラインと同じのプラットフォームを採用して本格的な走りの良さを有していた
■モデル後期にはR33スカイラインGT-Rのエンジンを搭載した「260RS」も登場した
日産らしい走れるワゴンという触れ込みで登場
日産の初代ステージア、WGNC34が登場したのは1996年。日本におけるワゴンブームは、1989年にデビューしたスバルの初代レガシィに端を発するわけだが、それらの後発モデルとなったステージアは、先行車種を研究し尽くしたうえで、これまでにないワゴンとして開発された1台だった。
その特徴は大きくふたつ。ひとつは他車よりも大きいLサイズプレステージワゴンというサイズ感。そしてもうひとつは本格的な走りの良さ。
走りの良さに関しては、レガシィをはじめほかにも評判のいいモデルはあったが、FRベースのシャシーが与えられた本格的なスポーツワゴンはステージアのみだった。
ステージアのプラットフォームは、R33スカイライン(C34ローレル)と共用で、ホイールベース(2720mm)もR33スカイラインと同じ。エンジンもスカイラインの心臓、直列6気筒のRB20、RB25(オーテックバージョン260RSはRB26)を縦置きに搭載し、実質的に「スカイラインワゴン」といっていいパッケージだった。
サスペンションは、FR(2WD)車がフロントストラット、リヤがマルチリンク、4WD車は四輪マルチリンクと使い分けていたが、FRにも後期モデルにはR34スカイラインの「NEOストレート6」(RB25DET)=280馬力エンジンを搭載したことからもわかるとおり、シャシー性能には十分な余裕があった。
ワゴン車の場合、リヤのバルクヘッドがないために、セダンよりもリヤまわりの剛性が出しにくくなるが、ステージアではピラーまわりに補強を入れてボディ剛性を確保。
こうした素性の良さにより、C34ステージアは、「ワゴンにしては走りがいい」という評価ではなく、セダン以上の良質な走りと操縦安定性を誇るクルマとして、高い評価を得ていった。
ワゴンユーザーは、快適性、利便性も重視するのはもちろんだが、基本的にセダンユーザー以上にロングドライブ、しかも高速道路を使った移動の機会が多かったので、この走りの良さは大いに注目された。
また、4WDもただの4WDではなく、スカイラインGT-Rでおなじみのトルクスプリット4WD、アテーサE-TSを導入していたのも他車のワゴンにはない大きな魅力。