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安さが取り柄だけのサスペンションじゃない! 形式だけで判断するのはもったいない「トーションビーム」の実力 (2/2ページ)

安さが取り柄だけのサスペンションじゃない! 形式だけで判断するのはもったいない「トーションビーム」の実力

この記事をまとめると

■足まわりには「ストラット」や「ダブルウイッシュボーン」などいくつか形式がある

■トーションビームという足まわりは安価で手抜きな足と嫌われる傾向にある

■トーションビームはコストパフォーマンスとバランスに優れた足まわりであるというのが通説だ

トーションビームはなぜ嫌われる?

 カーマニアはメカニズムにこだわる傾向が強い……と言い切れないかもしれないが、メカニズムの方式や形式によって良し悪しの先入観をもちがちなことも否定できない。

 たとえば、サスペンション形式を並べてみると、「ストラット」を基準として、「マルチリンク」や「ダブルウイッシュボーン」は凝った優秀なメカニズムと判断しているのではないだろうか。逆に「トーションビーム」や「リジッド」は残念なメカニズムと決めつけられがちかもしれない。

 なかでも「トーションビーム」はコンパクトなFF車のリヤサスとして採用されることが多く、ある意味「安かろう悪かろう」なサスペンション形式と認識されているきらいがある。

 実際、VWゴルフ(8代目)において、3気筒エンジンのエントリーグレードではトーションビームのリヤサスになっているが、4気筒エンジンを積むグレードのリヤサスは4リンク式となっている。こうした違いをみれば、「パワフルなエンジンを積んだグレードは走り重視のリヤサス(非トーションビーム)を選んでいる」と思ってしまうことは自然かもしれない。

 たしかにサスペンション形式というのは、左右がつながったリジッド形式から複数のサスペンションリンク(アーム)によって位置決めする構造へと進化してきたというのが大きな流れといえる。リンク類の長さを変えるなどすることでアライメントのセッティング範囲が広いのも、マルチリンクやダブルウイッシュボーンのメリットだ。

 だからといって、トーションビームは単なる安普請のサスペンション形式だと決めつけてしまうのも間違いといえる。

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