トンネル内は「追い越し禁止」って習った気が……例外はある? ルールをいま一度明確にする! (2/2ページ)

追い越しができるかどうかの判断はまず線の種類を見る!

トンネルごとに車両通行帯の有無や中央線の意味は違う

 トンネルごとに車両通行帯の有無や中央線の種類は異なります。このように、さまざまな種類のトンネルが存在しているのは、トンネルの幅や道路幅の違いによるものです。

 トンネルの幅が広い場合、片側2車線以上の通行帯を設けることができます。ひとつのトンネルに複数の車両通行帯がある場合、トンネル内に中央線と車線境界線が存在することになるため、それぞれの線の意味を正しく理解しておかなければなりません。

 では、トンネルに白の実線が引かれている場合で考えてみましょう。白の実線が中央線の場合、その中央線をはみ出したり跨いだりすることはできません。つまり、追い越しもできないことになります。

 一方、車両通行帯が複数あるトンネルで、白の実線が車線境界線として引かれている場合は、線を超えて車線変更(進路変更)や追い越しすることが可能です。このように同じ線でも中央線と車線境界線で意味が異なるため、運転する際には注意しなければなりません。

 ただし、実際の道路では、そのほかの標識や標示などによって進路変更や追い越しができない場合があるため、道路に引かれている線だけで判断するのではなく、標識などにも注意しなければなりません。

トンネルの出入り口とトンネル内の走行は要注意

 トンネルでのルールはトンネルごとに異なるため、トンネル直前の標識や標示を見落とさないようにすることが大切です。また、トンネル内での追い越しが禁止されていない場合でも、トンネル前後とトンネル内での走行には注意しなければなりません。

 トンネルに入った直後やトンネルから出た瞬間は、一時的に視力が低下することがあります。そのため、トンネル前後での急な進路変更や無理な車線変更はしないほうがよいでしょう。

 また、トンネル内はゆるやかなカーブになっていたり、勾配がついていたりすることがあります。そのため、気づかないうちに壁に近づいていたり、速度が出すぎていたり速度が落ちていたりすることがあるため、前方不注意にならないよう気を付けなければなりません。

 一時的な視力低下や前方不注意などによりトンネル前後やトンネル内で事故が起きてしまうと、逃げる場所がないため事故の被害が大きくなる場合があります。

 このように、トンネルにはさまざまな危険が潜んでいることから、トンネルの前後では十分に車間距離を取り、急な進路変更や無理な車線変更をしないほうがよいといえるでしょう。


齊藤優太 SAITO YUTA

ライター/インストラクター/ジャーナリスト

愛車
A4 35 TDI
趣味
ドライブ・洗車・音楽鑑賞・楽器演奏
好きな有名人
BLUE MAN

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