タイ市場で好調な中国系メーカーが日本市場を席巻する日も近い!?
新車購入を面倒なことと捉える声もよく耳にするが、そのひとつが数多く用意されるメーカーオプションのなかからどれを選んでいいかわからず、しかも一定数メーカーオプションを選ばないと十分な装備内容にならない傾向などがある点についての面倒さを指摘するものがある。
この点については前述したフランスでのコメントをみると、「世界共通認識なんだなぁ」とも感じた(諸外国は在庫車から選ぶのが原則だが、在庫車個々で装着されているオプション内容が異なっており、過剰に装着されている在庫もあって、その辺りの見極めが面倒なようだ)。
すでに先日訪れた、「バンコク国際モーターエキスポ」会場でも7つの中国系ブランドがブースを構えるタイでも、単に買い求めやすいという理由でバンコクなどの都市部を中心に中国系BEVが目立ってきているわけでもない。
中国系ブランドのなかでも急速に販売シェアを伸ばすBYDは、ディーラーネットワークの構築やより有益な現地パートナーの選択による現地に根付いたセールスプロモーションで買いやすさも追求している。単に魅力的なモデルであったり、割安な価格設定だけではやはり限界があり、売り方を確立しないと持続的に一定台数を売り続けることは難しいだろう。
BYD以外でもタイではリアルディーラーでの対面販売がメインのように見える。BYD以外のある中国系ブランドでは、ディーラー敷地内にボディ色も多彩で豊富な在庫を用意し、平日でも(ちなみにタイではディーラーは日曜原則休み)ショールームにはたくさんのお客がいた。
中国系のなかでも、とくに現地の状況を反映したセールスプロモーションも重視しながらタイ市場で展開しているBYD。中国系企業らしいスピード感をもって総合判断しながらタイ市場で頭角を現している姿に、数年後というのは言い過ぎかもしれないが、「日本市場でもこうなるのかなぁ」と思わず考えてしまった。