この記事をまとめると
■クルマを選ぶ際に重要なのがパワーユニットの最高出力、最大トルク、車両重量だ
■クルマは軽量なほうが軽快な走りをしてくれる
■実際の走りでは、最高出力よりも実用回転域の駆動力が重要だ
クルマのエンジンスペックもしっかり比較しよう
クルマの商品力は、実際に運転しないとわからない。購入前の試乗も不可欠で、できれば購入するタイプと同様のレンタカーを借りて、日常的な使い方を再現してみたい。クルマは高額商品だから、車種の選択で失敗すると痛手も大きく、入念に選びたい。
しかし、すべてのクルマに試乗することはできず、購入の候補を絞らねばならない。その作業はウェブサイトなどを使って行う。このときには、掲載されているデータから、その車種の機能を予想する必要もある。
動力性能については、パワーユニットの最高出力、最大トルク、車両重量が基準になる。最高出力や最大トルクが高くても、ボディが重ければ、優れた動力性能は発揮できない。
そこで、パワーウエイトレシオ(1馬力当たりが負担する車両重量)という計算方法がある。車両重量が1000kgで、最高出力が100馬力なら、「1000kg÷100馬力」だからパワーウエイトレシオは10kg/PSだ。車両重量が1000kgで最高出力が200馬力であれば5kg/PSになり、数値の少ないほうが動力性能は高まる。
そして、2000kg÷200馬力でパワーウエイトレシオが10kg/PSの車両よりも、1000kg÷100馬力の方が運転感覚は優れている。軽いほうが走行安定性を向上させやすいからだ。
ただし実際の走りでは、最高出力よりも実用回転域の駆動力が重要になる。ウェブサイトなどに掲載される数値では、最大トルクと発生回転数をチェックする。
ガソリンエンジンについて一般的にいえば、最大トルクを4000rpm以下で発生させるタイプが扱いやすい。最大トルクの発生が4500rpmを超えると高回転指向が強まり、小排気量車では、頻繁に使う1800〜3000rpm付近の駆動力が不足しやすい。その点で同じ最大トルクを3500rpm前後で発生させるエンジンだと運転もしやすい。
なお、車種によっては走行状態に応じてバルブの開閉タイミングを変化させる機能を採用する。そのために、最大トルクの発生回転数が高くても、実用回転域の駆動力に余裕を持たせたエンジンもある。それでも最大トルクの数値と発生回転数の関係は、一応の目安になる。
いずれにしてもウェブサイトの数値から動力性能を想像する時は、最大トルクと発生回転数をライバル同士で比較したい。