2024年こそいいニュースばかりであってほしい
そして、2023年はテスラやBMW、メルセデスベンツなどの欧米勢に加え、アジアからの電動黒船襲来の1年でもあった。つまり、アジア製BEV(電気自動車)が大挙して押し寄せたのだ。東京モーターショー改め、ジャパンモビリティショー(JMS)でのアジア勢ブースのBEVの活況ぶりからもそれは間違いないところ。一方、国産EVは、現在のところ日産、トヨタ、スバル、マツダ(ホンダの電気自動車、Honda eは2024年1月に生産終了)が粛々と発売しているだけで、なおかつ途中充電、目的地充電のインフラもまだまだ不十分。
芸能人がテスラを買えばニュース、話題になるものの、有名人が国産BEVを買いました……というニュースはあまり聞いたことがない。つまり、日本の自動車メーカー、インフラのBEVを取り巻く環境の立ち遅れを痛感させられた1年でもあったように思えてならない。販売的に元気な国産BEVが日産サクラだけでは、あまりにも寂しい。
で、日本では2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したプリウスに代表されるHV、PHEVを含むガソリンエンジン搭載車や、N-BOXに代表されるガソリンエンジン搭載の軽自動車が売れに売れているのが現状だが、そこにも2023年は大問題が発生。そう、ガソリン価格の高騰であり、諸物価の値上がりとともに、家計を圧迫した1年だった(電気代も上がりました)。
そんな自動車業界を苦境に陥れる問題ばかりの2023年ではあったものの、救われたのはジャパンモビリティショーの開催だった。モーターショーではなくモビリティショーと改名し、異業種からの参加、出展も多数あり、モーターショーでは登場しなかったはずのビジネスジェット(ホンダ)を始め、空飛ぶクルマ(スバル)なども大きな話題を集め、クルマ好きならずとも、老若男女が楽しめる一大ショーとなったことは、喜ばしい限り。国内で延べ100万人を集められるイベントは、そうはない。自動車に対する興味は、まだまだ健在ということを示してくれたと思う。
さて、上記の問題を抱えたまま迎える2024年。自動車業界の片隅に35年以上かかわる者として、もう、これ以上、自動車業界の「不正」という言葉は聞きたくない。日本の自動車業界、自動車市場(中古車市場を含む)がどう明るい方向に向かっていくのか、多くの自動車ファンとともに見守っていきたい。