ガラスにアルミモールに黒系パーツが肝! 洗っても洗っても「シャッキリしない」愛車のヤレ感を解消する方法とは (2/2ページ)

アルミの白錆もこれで一撃

 ところで、欧州車に乗っている、アルミ(アルマイト)モール装着車オーナーの悩みが、モールに付く白錆ではないだろうか。

 日本車はメッキ仕上げのモールであることがほとんどなので、そうした悩みとは無縁だろうが、たとえばドイツ車のフォルクスワーゲンやアウディ、BMW、メルセデスベンツのアルミ(錆防止のアルマイト仕上げ)モールは、屋外駐車だと気がつけば白錆が発生していることが多い。そしてこれが洗車やクリーナーごときではまったく歯が立たないから厄介だ。

 原因はアジア地域特有の雨、アルカリ成分の反応だそうだが、サイドウインドウまわりだけでなく、同じアルミ(アルマイト仕上げ)素材を使ったルーフレールが付くステーションワゴンだと白錆発生の範囲が広く、どうにも手に負えない状況になる。筆者が以前乗っていたフォルクスワーゲン・ゴルフ7ヴァリアント(ハイライン、コンフォートラインは黒塗装されていたのでセーフ)もまさにそうだった。

※画像はイメージ

 そんな白錆がモール、ルーフレールに付くと、いくらボディやウインドウを綺麗にしても、クルマが一気に野暮ったく、古臭く見えてしまうから残念過ぎる。筆者はモータージャーナリストという立場を利用して、以前からドイツ車メーカーに対策をお願いしてきたのだが、何しろ欧州ではほぼ発生しない(雨の成分による)現象ゆえ、日本からの声は無視されているようなのである。

 したがって、白錆が目立つたびに何度かディーラーで磨いてもらったりしていたのだが、こちらのせいでもないのに費用がかかる。そこで考えたのがラッピング。専門業者に依頼して、ぴったりサイズのラッピングテープを制作し、張り付けていたのだ。たしかに白錆の発生は免れたのだが、時間がたつにつれて端の部分が黄変。雨の直後はラッピングテープのまわりから水気が侵入することもあり、内側に水玉状のシミが浮き出ることもあった(乾くと消滅するシミだが)。

 で、現在乗っているフォルクスワーゲン・ゴルフ7.5ヴァリアント マイスターには、今回はラッピングテープではなく、根本的な対策を施すことにした。

 いまではそんな被害が拡大していることもあって、一部のコーティング業者では白錆対策専用のコーティングも用意されているのだが、ウインドウまわりとルーフレールまで処理してもらうとかなりの費用がかかる。やれることは自分でやる主義のボクとしては、DIYで処理する方法を画策。すると、ホルツから「ドアモールシャイン」という、欧州車専用の白錆対策ケミカルが発売されているのを発見。じつはそれ、もう何年も前に、ボク自身が開発中の液剤をゴルフ7ヴァリアントに発生していた白錆でテストしたことがあるものの完成版、市販版のようだ。

 白錆は素材表面を侵しているようで、まずは磨きということになるのだが、「ドアモールシャイン」はステップ1として4面のサンドブロック(320/600/1200/3200番)で、白錆の症状に合わせて磨き、白錆を除去する下処理。その後、高濃度可撓性レジン(10ml入り)を塗布して光沢復元・撥水効果を得るというもので、一定期間、白錆の発生を防いでくれるというのだ(着色されたアルミメッキモールには使えない)。

 もちろん、すでに白錆被害にあっている欧州車のドアまわり、ルーフレールの白錆対策アイテムとして有効だが、筆者の現在のクルマはまだ白錆がほぼ発生していない状況ながら、そのままだとこれから発生するであろう白錆からあらかじめガードしておく効果もあり、いち早い先行対策にもなるということだ(白錆が発生していない場合はサンドブロック処理は必要なく、高濃度可撓性レジンのみ使用)。新車であれば、あらかじめコーティングを施しておくのもいい。

※画像はイメージ

 さて、年末年始のクルマのリフレッシュでは、ウインドウ、ガラス面のケアが見落としがちなポイントであることをまずは紹介してきた。そして欧州車のアルミ(アルマイト)モールの白錆対策が、実売価格2000円前後で(筆者は大手通販サイトで1700円ちょっとで購入)、自身でも可能だということも併せて覚えておいてほしい。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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