当時は鳴かず飛ばずもいまになって注目されているものもある
次に、現在はタッチ式のNFCカードキーが装備される新型車が復活していますが、そうではなく携帯しているだけでドアやトランクの解錠、施錠、エンジン始動ができるという、スマートキーの薄型カード型が流行った時代がありました。
ホンダのレジェンドやレクサスなどが採用していたものですが、薄型といっても財布に入れるには分厚く、かといってキーホルダーにつけておくことはできず、使い方に慣れていないからか、紛失する人が続出。なかには踏んづけて割ってしまった、なんてトラブルもあり、あまり普及はしませんでした。いまなら、スマホのアプリで代用できますね。
続いて、あると便利なんだけど、何十万円も出してつけるほどの装備でもない、ということでおそらく消えてしまったのが、サイドミラーワイパー。日産レパードやシーマ、トヨタ・クレスタなどにオプションで登場したものです。
雨粒や汚れ、曇りなどをスムースに取り去ることができるもので、1980年に登場したレパードは、世界初のワイパー付電動リモコン式フェンダーミラー。ミラーの鏡面をキコキコと動く、細く小さなワイパーが付いているのが衝撃的でした。ただ、かなり高額なオプションだったことや、曇り止めの技術などでなんとかなることもあり、その後普及することはなかったと思われます。
最後は、空前のアウトドアブームのいまなら、復活したら売れそうな気もする、マツダ・ボンゴフレンディのポップアップルーフ。ホンダの初代オデッセイや初代ステップワゴンにもオプション設定されていたこともあるのですが、屋根の部分がパカッと斜めに持ち上がり、大人ふたり程度が車中泊できるくらいのテントスペースができるというもの。
実際にここで寝てみたことがありますが、風の強い日だったので、ルーフの上で寝ていると車体がけっこうグラグラと揺れるため、ちょっと怖かった思い出があります。夢のある装備ですが、重心が高くなるため走行性能に不利となることや、車重も重くなるため燃費にも悪影響。当時はまだ車中泊がそれほどメジャーではなかったこともあり、消えてしまったのでしょう。
ということで、普及はしなくても私たちに夢や驚きを与えてくれる、革新的なクルマの装備。これからも、どんなものが登場するのか楽しみにしていきましょう。