何から何まで苦労尽くし!
4.主治医探しに超絶苦労する可能性大
古いモデルであれば、地道に探したり、友人や知人に紹介されて「車種を問わず何でもござれ」な主治医が見つかるかもしれません。また、腕に覚えがあるオーナーであれば、自身が「オーナー兼主治医」となり、愛車の面倒を見ることも不可能ではありません。
これが新しいモデルになると、個人レベルで対処するのはかなり困難を極めます。並行モノの輸入車を幅広く扱っている販売店が抱える整備工場など、正規ディーラー並みに受け入れが可能なところを見つけ出す必要があります。
5.車検も手探り
海外のクルマの多くが右側通行・左ハンドル。そして日本は左側通行・右ハンドルの環境です。最近では右ハンドルの輸入車が増えてきて、少し前には考えられなかった右ハンドルのフェラーリを見かける機会も増えてきました。「ガイシャといえば左ハンドルでなければ!」という価値観は、もはや過去のものになったということでしょう。
並行モノとして日本にやってくる輸入車は、いわゆる「本国仕様」であることがほとんどで、その大半が「右側通行・左ハンドル仕様」として生産されています。ヘッドライトのレンズカット、光軸の位置など、日本の道路事情とは合いません。車検をクリアするための対策を講じる必要があります。
また、古いクルマであればヘッドライトの明るさ(6V仕様だととくに大変)や、車検時の排ガスの検査基準をクリアするという難問が待ち構えています。ちなみにガソリン車の場合、CO基準値は1.0%、HC基準値は300ppmです。
6.任意保険
最近は多少緩和されてきたようですが、並行モノの輸入車の任意保険加入はハードルが高いと考えるのが妥当です。それが激レア車であればなおさら。運良く加入できたとしても、そもそも並行モノの輸入車は「型式不明」と見なされてしまうため、正規輸入車に比べて割高であったり、車両保険はNGというケースも。
このあたりは正面突破すると上記のような結果になってしまいがち……という話。友人や知人、またはそのツテをたどって自動車保険に精通していたり、その業界にいる人を紹介してもらうことで、新たな可能性を見出せるかもしれません。
7.苦労をわかちあえる仲間が日本国内にいない(かも)
「人と被りたくない」と考えるクルマ好きは意外と多いものの「激レアな並行モノの輸入車」の領域に達すると、必然的に被りようがありません。そもそも持っている人が見当たらないなんてことが現実に起こります。
こうして自ら少数派、いわゆるマイノリティの道を選んだわけですから、本当の意味で苦労をわかちあえる仲間が日本国内にはいないかもしれません。仲間内のゴタゴタや意地の張り合いもないし、平和といえば平和です。さらには海外の友人や知人を増やす良いきっかけ(ついでに語学力の勉強も?)にもなりそうです。
まとめ:これぞヘンタイの極み!? あえてイバラの道を選ぶのもまた人生
部品がない、主治医も見つからない、任意保険にも入れないかもしれない、苦労をわかちあえる仲間もいない、そもそもエアコンの操作方法もわからない……。「激レア並行輸入車」に乗ることと「ないないづくし」なカーライフは、まさにイコールといえるでしょう。
これほど至れり尽くせりな環境が整っているにもかかわらず、あえてイバラの道を選ぶ。至れり尽くせりってはじめはいいけれど、慣れてくると物足りなさを感じてしまうことも事実。
たまたま惚れ込んだクルマが激レア並行輸入車だったというだけで、何かと苦労させられるからこそ飽きることがなく、ながーく愛せるのかもしれません。